■ せれくしょん
ちんすけ様


「あ、はん・・・あっ、あっ・・・」
 部屋の仲に淫靡な音が響いている。俺と香苗とがつながっている場所からだ。
 獣じみた行為。ベットの上、俺に組み伏せられながら香苗は嬌声をあげている。どうしても年相応にはとても見えない幼すぎる外見の香苗を抱いていると倒錯した快感が湧いてくることを否定できない。
「ああ、先輩、先輩・・・」
 汗の玉が滑る小さくて白くて綺麗な背中。その向こうで顔を歪めて俺を呼ぶ香苗。いつもかけている眼鏡を外しているからか、ますます幼く見えるその顔が俺の与える快楽に染まっている。
「先輩・・・手、握って・・・」
 切なげに俺を見上げる香苗。眼鏡を外すと10センチ先の新聞も読めないくせに俺の心を鷲掴みにするような綺麗な眼で俺に心を告げてくる。
 それに、強く手を握ることで返す。すると、嬉しそうに香苗が微笑んだ。
 可愛い・・・
 心から、そう思う。
 20歳にもなろうというのに下手をすれば小学生とも見間違えてしまいそうな幼い外見。それに対し強いコンプレックスを持っているはずなのに、こんなに女の顔をする。それを感じる度に愛おしさが加速する。
「香苗・・・好きだ・・・」
 耳元で囁く。他の誰にも聞かせたくないから。
 他に誰もいないとわかってはいる。それでも、二人の空間は小さい方が良かった。その方が香苗を抱きしめられるから。
 理不尽な我が儘が今の俺を突き動かしている。
 俺の言葉に心の底からの笑みを浮かべる香苗の唇を肩越しに奪う。柔らかな髪を右手で櫛して左手は平坦な胸の上に可愛らしく色づいている薄紅の蕾を刺激する。
「好き・・・ボクも、先輩のこと・・・大・・・好き・・・」
 とぎれとぎれにこぼれる言葉。それに嘘が一つも混ざっていないことは心と体がつながっている俺にはわかった。
「先輩・・・このままじゃイヤ・・・顔が、顔が見たいよぉ・・・」
「わかってるよ、香苗・・・」
 向かい合わなくては、抱き合わなくては香苗に俺は見えない。五感の全てで俺を感じることが香苗が望んでいること。そんな形で高まりたい。俺も、そうだ。
「あっ・・・」
 腰をつなげたまま、香苗を回転させる。上向きにさせる。そして、抱きしめる。腰の上に香苗が乗るように。
「あっ・・・先・・・輩・・・」
 上擦った声で俺の首に腕を回す香苗。まるで魔法にかかったかのように俺は、香苗のことしか考えられなくなる。細胞の一つ一つがそのために生まれてきたかのように。
「あっ、あん・・・ん・・・ぅん・・・」
 腰を上下に、左右に、前後にまんべんなく動かす。香苗も必死に俺に答えてくる。俺達がこれまで何度も、数え切れぬ程抱き合ったことからだ。
 目尻に涙を浮かべながら、そして不完全な円運動のピッチを速める香苗。その姿に興奮が増してくる。
 上半身を少し前に傾け、クリトリスが恥骨に当てることを教えたのは俺だ。香苗の首から下に体毛がないという体質はこれによる快楽を何十倍にも高めているのかも知れない。そして、下腹部には俺を受け止めている器官の小さな襞や壁が俺の想いを伝えてくれているに違いない。
「せ、先輩・・・ボク、ボク、もう・・・」
 限界は、近い。それは俺も同じことだ。腰のそこでマグマのように高まって、もう少しで爆発しそうだ。
 香苗の膣が痙攣し、収縮する。心臓が、声が、手が、瞳が震えている。強く抱きしめ、肌で、心臓でそれを感じた。二人、溶け合ってしまいそうだ。
「やっ、あ、ああんっ!」
 俺のモノが、食いちぎれんばかりに、それでいて奥へと引きずり込まれるように締めつけられた。その瞬間、俺は力ずくで腰を引き抜いた。
「わあああああぁぁぁぁんっ!!!」
 弾ける刹那、思いっきり背をそらした香苗の汗の浮かんだ腹に毒々しいまで白い精液を放つ、その眼もくらむような感覚に俺は頭が白くなり、ただ香苗を独占しているという幸福に包まれていた・・・



「先輩・・・キス・・・」
「・・・わかってる、香苗・・・」
 三分も経っただろうか、二人の息が整って、心地よい疲労感が全身を包んでいる頃、いつものように香苗が甘えてきた。
 二人してベットに横たわったまま、ただ上半身をかぶせるようにキスをする。
 軽く眼を閉じ、少しだけ顎を突き出している香苗。その両頬を両手で挟むようにしてからキスをする。
 唇だけの、軽い、でも少し長めの、キス。
 香苗は、これがお気に入りだ。
 ・・・確か、こんな話を聞いたことがある。
 セックスは性欲。でもキスは食欲・・・相手を「味わいたい」という意味だ、と。もっとも、この両者に明確な線引きはない。脳の最も深い部分で、しかも両者は隣り合った場所にある。だから、食欲を満たされないと性欲は湧きにくい。性欲が満足の状態では食欲は湧かない・・・
 だが、こんな話、本当だろうと嘘だろうとどうでもいい。重要なのは香苗がキスを求める相手は俺一人だけだってことだ・・・
「えへへ・・・先輩、優しい・・・」
「ばぁか、いつものことだろうが」
「じゃ、いっつも優しいんだ・・・」
 こ、こいつは・・・まったく・・・
「からかうんじゃねぇよ・・・幼児体型のくせして」
「ふんだ・・・」
 いつもどおりのからかい口調の後、俺はサイドテーブルの上に置いたどの強い眼鏡を取った。そして、香苗に掛けてやる。未だ頬を染めたまま眼を細めて香苗は俺に微笑みを返す。
「ね? 拭いて・・・」
 香苗が、甘えてきた。今の、二人の体液を拭えと、俺に言う。
 厭うようなことじゃない。俺は少し手を伸ばしてラブホ備え付けのタオルを取り、香苗の腹にはなった俺の汚濁を拭ってやり、香苗の下腹部を拭ってやった。
「やっぱり・・・優しい・・・」
「・・・馬鹿が」
 いくら男女の仲だとはいえ、こうされてるときに言うセリフかよ・・・まったく、こいつはさ・・・
 出来るだけ綺麗に拭ってはやったが、どうしても痕は残る。実際、おしぼりとかでもなきゃ綺麗になるもんじゃない。ラブホなんだからそれぐらい用意して置いてもいいと思うが・・・
「タオルだけじゃ、綺麗にはならんな。風呂、入らんとな」
「じゃ、一緒に入ろうよ・・・ね、先輩?」
「そう、だな・・・」
 まだ一時間も経っちゃいない。いつもは二回戦の後のシャワーだけだからたまにはのんびりと風呂もいいかもしれん。ここの風呂はでけぇから、二人して入れるし・・・
「たまにゃ、いいか」
「うん・・・」
 そうして、10分後・・・
「わぁ! ひろい、ひろぉい!」
「騒ぐな、ガキか、おのれは」
「だってぇ・・・こんな大きなお風呂ついたホテルなんてこれまでなかったんだもん」
「少し街の中心から離れてるからなぁ・・・手軽じゃない反面、こういう所で客呼んでるんじゃないのか?」
「そう言えば、ゲームも置いてあるし、カラオケも入ってるし・・・」
「こらこら。街中でもあっただろうが」
「あれ? そうでしたっけ?」
「おいおい。これまで何回連れてったと思っているんだ、お前は」
「うーん・・・いっぱい?」
「あのなぁ・・・」
「家に帰ればわかりますけど・・・先輩、知りたいですかぁ?」
「家に帰れば?」
「だって、日記書いてるもん。何回エッチした、とかぜぇんぶ書いてありますよぉ、だ」
「・・・与謝蕪村じゃあるまいし」
「え? 与謝蕪村って、江戸時代の?」
「ああ・・・まぁ、こういう場所だから言えるようなネタだがな、蕪村の日記にはそういうことが山のように書いてあるそうだ」
「へぇ・・・」
「三十半ばかなぁ、蕪村が結婚してそれから付け始めた日記らしいんだが、最初の方はまだまともな日記と何回した、って書いてたみたいなんだがなぁ、そのうち、『三』とか『五』とかそれだけが・・・」
「そうなんだ。そういうことには詳しいですよねぇ、先輩って・・・」
「はっはっは、そんなに誉めるな」
「・・・誉めてないんですけどぉ」
「で、そういう風に俺を評してくれる香苗も似たり寄ったりだと思うんだが」
「そんなことないです! 女の子にはどんな風に愛してくれるか、愛してくれたのかってすっごい重要なんですから」
「・・・あ、あっそう・・・生まれたときから男しかやってきてないもんで良くはわからんが、とにかく、そうなんだな?」
「そうです!」
 ・・・とか、愚にもつかない話を二人してしている。大柄と評される俺でもなんとか方まで浸かることが出来、しかも脚の間には香苗が我が物顔で居座っている。まぁ、悪い気はせんがな・・・
「でも、こういう風に二人してお風呂に入ってるのって、もしかして初めてじゃないんですか?」
「そうかぁ?」
 こうしていると、本当に子供みたいだなぁ、と思いながら見上げてくる香苗に言葉を返す。先程の残影でも風呂に入っているだけでもなく頬を赤めた香苗が背中から俺に体重を任せてきた。羽のように軽い、とは言い過ぎだが決して苦にはならない、むしろ心地良い重さだ。
「だって、いつもシャワーだけだし、先輩のうちも、ボクのうちもお風呂一人しか入れないじゃないですか」
「ここ、前来なかったか?」
「来ましたけど・・・ここじゃない部屋で、浴槽が透明で、下から覗かれそうだから止めたじゃないですか」
「おお! 確かそんなことが!」
 思い出した、思い出した。二ヶ月前ぐらいに来たんだった。
 何度も繰り返しているが、香苗は本当に子供っぽい。背は低いし痩せてるし、胸なんかほとんどない。色素も薄いし何よりも顔以外にほとんど毛が生えていない。
 それなのに結構腰回りとかは女らしい肉付きをしていて・・・ラインは綺麗だしなぁ。
 一応、俺は香苗の恋人ってことなんだからそういうのを見てみたいと思っても別に悪いことじゃあるまい?
 もちろん、世界で俺一人だけにその資格があるのだが。
「先輩、すっごいいやらしい眼、してたんですよぉ」
 そう言って、咎めるような、それでいて全然本気じゃない眼で。
 その証拠に俺の手を取って洗濯板のような胸に押し当てて悦には入ってるし・・・
「馬鹿者が。そういう場所じゃねぇか。さっき、あれだけ乱れておいて何を言うか」
 少々いやらしい手つきで香苗の小さな胸を弄びながら耳元で囁く。さっきの余韻はまだ若干残っている、敏感な、小さな乳首を摘んでやると背筋を震わせて切なそうな眼で俺を見上げてくる。
「そういうのとは違うもん・・・」
 口を尖らせて、そのくせますます俺に身体を預けてきながら香苗が言う。気のない素振りをしながら、それでいていつのまにやら胸元で丸まっている、そんな猫のようなイメージがふと頭に浮かんだ。
「ま、いいや・・・ところで話があるんだが・・・」
「え? 何?」
 ・・・その前に俺は真面目な顔をして現状に対する感想を言った。
「その前にだ、そっち座れ。この格好じゃまともな話はできん」
 未だに俺の脚の間から居座る香苗に苦情を言う。すると香苗は、
「え〜っ、ボク、これが好きなのにぃ・・・」
 と甘えた声で俺に従おうとはしない・・・
 いや、まぁ、俺もこういうのは嫌いじゃないんだが、でも時と場合ってもんがある。
「まじめな話だ!」
「・・・はぁーい」
 少々怒気を込めて言うと、香苗はようやく、しぶしぶって顔をしながらではあるが、俺と向かい合うような形に座った。
「何も正座しろとは言ってないんだが・・・」
「まじめな話だっていったじゃない・・・」
「いちいちぶうたれるなよ・・・」
 ま、いいんだけどな・・・しっかし、こう頬を膨らませていられると・・な。
「香苗・・・仕事はどうなんだ?」
 俺は、香苗の仕事について聞いた。こいつは半年前、新聞社で賞を取ってから、とある都市型の雑誌の表紙を隔週で描いている。俺みたいな将来の職に憧れているような甘ったれじゃない、プロとしての顔もある。正直、学生との二足の草鞋はどうかな、と前々から考えてはいた。
「お仕事? 大丈夫、ちゃあんと締め切り守ってます」
 俺の言葉に香苗はそう言って微笑む。まじめに仕事してるって顔だ。けど、香苗が誰よりもまじめなのは俺が一番良く知っている。非常に責任感があるってことはよく知っているんだ。だが、俺が言いたいのはそういうことじゃない。
「いや、そうじゃなくて・・・つらいんじゃないのか? お前」
「つらいって?」
「いや・・・今日の映画、楽しみにしてた割にはすぐ寝むっちまったし、車の中だって半分以上寝てただろう? 無理してるんじゃないのか?」
「うーん・・・無理はしてると思うけど・・・でも、お仕事だし、イラスト描くのは嫌いじゃないし・・・」
 ・・・やっぱりわかっていない。そういうことは良く知っている。つらくても楽しみながらやっているのはわかっている。けど、な・・・
「いや、そうじゃない」
「?」
 どういうこと? 眼がそんな風に語っていた。その眼に俺は一瞬息を呑み、そしてゆっくりと言葉を紡ぐ。
「俺とのデートの時間作るために無理してるんじゃないのか、と言ってるんだ」
 俺は、出来るだけ諭すように、それでも芯の通った声で、言った。
「えっ・・・」
 そして、虚を突かれる香苗。まるで、絵に描いたかのように。
 俺は、卑怯だとは知りながら畳みかけるように言った。目的のためなら手段の是非は問わない、そこまでは言わないが・・・な。
「本当はこの時間があればもう少し余裕を持って仕事できるんじゃないのか? こういう言い方もなんだが、どちらも中途半端にするぐらいなら・・・」
 反論を許さない、そんな口調での台詞。でも、それは最後まで言いきれなかった。
 バシャ! バシャッ!!
「おい! なにをする!」
 俺の言葉を最後まで言わせない、そんな勢いで香苗は浴槽の湯を俺に浴びせかけた。一度だけじゃない、何度も、何度も。まるで子供がだだをこねるように。
 ・・・気がつくと、背中を見せて肩を震わせていた。
 泣いている?
 俺がようやくそう気づき、言い過ぎたかと後悔し、その小さな肩に手を伸ばそうとしたとき・・・
「やだ! 先輩とデートするの、ホントに楽しみにしてるの! 週末、一緒に過ごせるって楽しみにしてるから毎日頑張ってるのにぃ・・・ひっ、ひっく・・・」
 涙色の、小さな、それでも身体の内側から響いてくるような声で、香苗が言った。俺に、精一杯の恨み言を。
「お、おい・・・何も泣くこたぁないだろう・・・」
「だって、だって全然わかってくれてないんだもん・・・毎日毎日、一生懸命頑張って・・・それで、週末のデートで一緒にいられるからって・・・一緒にいたいのに・・・」
「いや、だからな・・・一応話に続きがあるんだが・・・」
「ひっ、ひっく・・・」
「は、話していいかな?」
「・・・うん・・・」
「いや、それでさ・・・デートするにしてもだ、俺だって金がかかるしそのためにバイトしなくちゃならない」
「だから・・・もう、デート、しないの? ボクと、別れたいの?」
「・・・そうじゃなくてだな、どうせ同じ金を使うんだったら・・・」
「だったら?」
「その・・・一緒に、生活しないかって・・・」
「・・・」
「一応さ・・・二人で金出せば結構広いとこ住めるし、なんだったら香苗の仕事部屋も作れるだろうし・・・今みたいな、無理矢理ベットの上に道具広げて寝る場所無くすこともないし、飯ぐらいだったらたまには俺が作ってやれるし・・・」
「・・・」
「それに・・・いつも一緒にいられるだろ? 香苗が疲れたとき、側にいてやれるし・・・その方が週に一回のデートよりもいいんじゃないかなと思うんだが・・・どうだ?」
「ご飯・・・毎日、三食作ってくれます? お弁当も?」
「い、いや・・・毎日三食は・・・」
「作ってくれます?」
「わ、わかった。朝だけとかなら・・・」
「・・・」
「わ、わかったよ。なんとか・・・善処します」
「お掃除もお洗濯もする? お布団だってちゃんと干してくれます?」
「ま、まぁ・・・多分」
「あと・・・週に一回とは言わないけど、一月に一回ぐらいはデート、連れてってくれる?」
「一月に一回か・・・ま、それぐらいなら・・・」
「じゃ、あと、あとね?」
「なんだ。この際だ、なんでも言ってみろ。ああ、もうなんだって応えてやるぜ」
「そ、それじゃ・・・あの、名前で・・・呼んでいいですか?」
「へ?」
「だ、だから・・・その、『先輩』じゃなくって・・・『武彦』さん、って・・・」
「あ、ああ・・・それは、まぁ・・・でも、『さん』はちょっと、な。呼び捨ての方がいいんだが・・・」
「えーっ!? でも、それはボクの方がイヤ・・・だってぇ・・・」
「いや、別に無理強いはしないから、好きにしてくれ」
「じゃ、じゃあ・・・『くん』だったら? 『さん』と呼び捨てと中間ってことで?」
「お、おい! それじゃ『さん』以上に・・・」
「・・・いや?」
「いいよ・・・この際だ、香苗の好きなようにしてくれ」
「うん! 武彦・・・くん・・・きゃ、やだぁ!」
「おいおい・・・」
「えへへ・・・ぴと」
「ぴと、じゃねぇだろうが・・・って頭すりつけるなよ、おい!」
「だってぇ・・・えへへへ・・・」
「その笑いは止め・・・ん!?」
「んっ・・・ぅん・・・あ、はぁ・・・んっ・・・」
「ぷはっ、こ、こら、いきなり・・・」
「だって・・・したくなっちゃったんだもん。すっごく、うれしくなっちゃったんだもん・・・」
「・・・」
「あのね? もう一つだけ、お願い言っていい?」
「ああ・・・」
「もっかい、えっちしよ・・・」



「あのね・・・この間のあれがいいなぁ」
「あれって?」
「あれったらあれ!」
「もしかして・・・ローション?」
「うん!」
「はいはい。今日は香苗が王女さまだ。なんでも言うこと聞きますよ」
「じゃね・・・あの黄色いのがいい☆」
「どれどれ・・・お、これハーブ入りだ」
「え、ホント! ね、ね。何が入ってるの?」
「いや、成分書いてないんだが・・・大丈夫かね、これ」
「じゃ、匂いは?」
「おっと・・・書いてあったよ・・・どれどれ・・・」
「なになに?」
「サイプレス・レモングラスティートゥリー・レモンバーベナ? この組み合わせに・・・カフェインとガラナエキス!? うわぁ、催淫効果ばりばり」
「そうなの?」
「どれほどの効き目かは知らんが、な・・・で、どうする? 使うか?」
「うん! だって、その方がいいんでしょ?」
「・・・まぁ、な」
「ボクにはちゃあんとわかってるんだから、ね☆」
「まったく・・・ほら、来いよ」
「うん・・・」



「あ、やだ・・・」
「やだ、じゃねぇだろ」
「だってぇ、冷たいんだもん」
「じゃ、体温で暖めてやろうか?」
「もぉ、オヤジ臭い言い方してぇ」
「俺はオヤジ臭いの。よぉく知ってるくせに」
「やん! 舐めちゃダメ! これ、毒かも知れないのに・・・」
「ダイジョブだって・・・海草から出来てるって教えなかったか?」
「知らないよぉ・・・や、胸舐めちゃ・・・」
「気持ちいいのか?」
「うん・・・触られてるとこ、ツルツルして・・・他のところも良くなってるよぉ」
「多少は、催淫効果が出てるのかな・・・俺も、興奮してるぞ」
「あ・・・」
「ほら・・・香苗も俺に塗れよ」
「うん・・・あっ、すっごく熱いし硬い・・・」
「くっ。なんかゾクゾクくるな」
「そう、なんだ・・・あっ!」
「ちょっと強めでも痛くないだろ? ほら、こうやって周りから肉集めれば香苗の胸でもBぐらいにはなるんじゃないのか?」
「・・・ブラのサイズ、どうやって測るか知ってるんですかぁ?」
「いや、全然知らない」
「ボクの場合だと、どんなに頑張ってもAなんだけどなぁ」
「そうなのか? ま、俺はこういう胸も好きだけどな・・・」
「むっ!」
「なんだよ」
「『も』って何よ! 浮気、してるんじゃないの!」
「おいおい・・・言葉尻ぐらいで勝手に焼き餅焼くんじゃないの」
「・・・」
「まったく、ガキなんだからなぁ・・・ほら」
「ん! やだ・・・もぉ・・・」
「ほぉら、キス一つで機嫌がなおった。やっぱりガキなんだからな・・・」
「ふん、だ。じゃあボクが子供じゃないとこ見せたげる!」
「って、おい!」
「うわぁ・・・近くで見るといつもより大きいんだぁ・・・それにひくひくしてる・・・」
「おい、そう言う言い方はな・・・」
「ね? これって舐めても毒じゃないんだよね?」
「あ、ああ・・・」
「じゃ・・・んむぅ」
「!」
「はぐっ・・・んっ、んっ・・・ん・・・なんか、顎痛くなっちゃいそ。ホントにおっきいんだもん・・・」
「くっ・・・」
「いいんだよ? 無理しなくて・・・」
「誰が、無理して・・・」
「だって、脚なんかもうガクガク言ってるもん☆」
「だからって・・・五分ともたずに・・・」
「ふぅん、そういう態度に出るんならもっといじめちゃおかな☆」
「う! くっ・・・」
「ほら・・・こっちのほう、口の中で転がされるの・・・いいでしょ?」
「まったく・・・こんなこと、どこで・・・」
「ひっどぉい! ぜぇんぶ『武彦』くんが教えたのに・・・」
「・・・」
「くすっ・・・弱いんだから、もぉ」
「むかっ! 頭来た! 反撃してやる!」
「あっ・・・」
「なんだ、香苗も人のこと言えないじゃないか・・・こんなにしておいて・・・」
「やぁ・・・」
「こんなんじゃローションなんか必要なかったかもな。垂れてきてるぐらいだもんなぁ」
「ばかぁ・・・」
「さんざんいじめてくれたお礼だよ・・・」
「あっ! そ、そんな、いきなり・・・」
「すっかり硬くなってるな・・・脚もガクガクになってるしな・・・」
「・・・ごめんね」
「ん?_なんだよ、いきなり」
「だって・・・ボク、身体小さいからこんな無理なかっこうさせちゃって・・・」
「ばぁか。そんなの百も承知で惚れちまったんだからしょうがねぇだろうが」
「・・・え? もっかい、言ってくれる?」
「馬鹿言え、そう何度も言えるか・・・」
「ひゃん! や、もぉずるい・・・ボクも負けないんだからぁ!」
「うっ! ちょっと気を抜いたら・・・」
「えへへ・・・ボクの方が優勢かな☆」
「ざけるな・・・調子付きやがって・・・」
「ひゃ! や、やだ・・・」
「もう、こっちの方も弱くなってるな・・・」
「そ、そんな・・・お尻なんて・・・ばかぁ!」
「勝つためには手段を選ばないのが俺だからな・・・投降するなら今のうちだぞ?」
「そ、そんなことないもん・・・もう、少し出てるくせに負けるのはそっちのほうだもん・・・んっ、んむっ・・・んっ・・・」
「お、おまえ・・・しごくのは・・・」
「だぁめぇ・・・」
「わ、わかった、俺の負け・・・だから、もう・・・」
「やだ! 飲みたいんだもん」
「うっ、もう・・・くっ!」
「はぐっ! んっ・・・んん・・・うん・・・」
「はぁ・・・ううっ・・・」
「ん・・・うん・・・ん・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」
「えへへ・・・全部飲んじゃった・・・幸せぇ・・・」
「おいおい・・・」
「ボクの身体、武彦くんの色に染められちゃったんだ・・・えへへ・・・」
「・・・」
「あれぇ? またおっきくなってるよ? ど〜したのかなぁ?」
「し、知るか!」
「くすくす・・・可愛い☆」
「・・・」
「ね? 今度は・・・ボクを可愛がって、ね・・・」
「わかった・・・」
「マット、あって良かったね。このまま横になれるもん・・・」
「そうだな・・・寒くないか?」
「うん、大丈夫・・・でも、暖めてほしいな・・・」
「わかってるよ・・・ほら、もう少し広げて・・・」
「うん・・・あっ! 入って・・・くる・・・」
「うっ・・・柔らかくて、熱いな・・・」
「すごい・・・奥まで当たってるよぉ・・・いっぱい、いっぱいだよぉ・・・」
「やっぱり、お前と俺とは相性いいんだろうな・・・すごく、『あってる』よ・・・」
「ばか・・・」
「いくぞ・・・」
「うん・・・あっ!」
「くっ! まだホンの少しなのに・・・ぞくぞく、くる・・・」
「あ、ああ! すごい、すごいよぉ・・・身体が、バラバラになりそうなの! 弾けそうなの!」
「ああ、俺もだ・・・」
「こうしてくっついてると、ん! ローションで密着、んぅ! 感、が・・・」
「そうだな・・・まるで、溶け合いそうだな・・・」
「そう、なりたい。なりたいよぉ・・・いつまでも、一緒にいたいの・・・ずっと、ずっと・・・」
「わかってるさ・・・わかってるよ、香苗・・・」
「うん・・・うん・・・好き・・・大、好き・・・」
「俺もだ・・・香苗・・・」
「うん・・・うっ・・・あ! ああっ!」
「つっ!」
「うわぁああん!!! わあああああぁぁぁぁんっ!!!」
「(まるで・・・全身がすいこまれそう・・・だ・・・)」
「ああっ・・・はぁ・・・ああ・・・んぅ・・・ん・・・」
「はぁ・・・はあ・・・」
「・・・あ! ん・・・」
「(柔らかいな・・・香苗の唇は・・・)」
「ん・・・ん・・・」
「ん・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「えへへ・・・」
「・・・なんだよ、香苗」
「また・・・お風呂入んなきゃならなくなっちゃたね・・・」
「そうだな・・・」
「でも、今度はゆっくりしてらんないね・・・延長、取られちゃうもん」
「・・・そんなことよりももうしばらくこうしていたいな・・・」
「うん・・・ボクも・・・」
「・・・そう言えば、今日、安全日だったのか? 膣内に出しちまったが・・・」
「危険日・・・って言ったら、どうする?」
「その時はその時だ・・・男らしく責任取るさ。少なくとも、俺にとって香苗はそれだけの意味があるからな・・・」
「・・・そっか。ちょっと残念」
「おいおい・・・」
「でも・・・いつかは、いいよね?」
「ん?」
「ボクが・・・二人の赤ちゃん、産んでも・・・」
「気の早い話だな・・・」
「そうやって否定しないんだから、もう」
「ま、そういうな」
「うん・・・あ、そうだ。帰り、本屋よってこうよ」
「あ?」
「だって・・・新しいうち、探さなきゃ☆」
「・・・」
「あ、できればおっきなお風呂のあるとこがいいな☆ で、今日みたいなえっちいっぱぁいするの」
「・・・いきなり疲れそうな話だな・・・」
「こらこら! いきなり老け込むな!」
「老け込みもするさ・・・ここまでイニシアティブ取られるとな」
「えへへ・・・だって可愛いんだもん☆」
「なんだかなぁ・・・」
「でも、イヤじゃないんでしょ?」
「・・・」
「やっぱり可愛い☆」
「・・・・・・結局、俺は香苗に振り回されるのかなぁ」
「そうだよ☆ これからもよろしくね☆」
「・・・はぁ、まったくよ・・・」
<2000.02.04 UP>