■ 月影の巫女 Simon様 うふふ あは 血が騒ぐ じっとしていられない もぞりとまるで肌の内側を蟲が這いまわってるみたい がちゃり 壁につながれた鎖が 「だれか、はずしてお願い」 このままだと、おかしくなっちゃう ねっとりと甘い風が纏わりついてくる 見えない舌にべろりと首筋を舐められて 「……あっ!」 たったそれだけなのに、全身が悲鳴を上げる 息ができなくなるほど気持ちいい とぷり 震える太ももを熱いものが伝う 「……はぁ あ……あふぅ……」 がちゃ ぎち 「……たすけて」 騙された私がばかだったんだと ……だって……いい人たちだと思ったんだもの みんな明るい笑顔で、旅で疲れた私に親切にしてくれ ぬちゃり 「ひぎぃっ!……あが!」 うそ さっきよりも入ってきてる 骨を直接舐め上げられた 左腕ががたがた震えてる 「……ああ……」 気持ちいいのが体の中に留まってる 出て行かない 「手が いいのっ!……あああぁっ!……」 どくりと血が流れるだけで汗が伝うだけで ごんっ 頭を後ろの壁に打ち付ける 目の前に赤い月 べろぉり 「はひゃああぁっ!……あははあっ!……ああああ」 じょおおぉぉぉ お尻 股の間から胸まで 耐えられるわけないこんなの! どくっどくっ からだ中が溶けてぐちゃぐちゃになっちゃう ぬちゃ ぬらぁ 「……だ……待って!……あぐああぁっ!」 ごきと肩で音がした 暴れたせいかなでも全然痛くない 立ってるだけで足の裏が犯される 月の毒が中から私を 「……はひっ!……あぁっ!……あぁぁっ!」 しんじゃう おかあさんおねえちゃん わたしなくなっちゃう まぶしい もっと舐めて 足をおもいっきり開いて、腰を前に ずぶ 「ぎゃぁっ!……」 どろどろにかたまった光が わたしの秘花をぶちりぐちゅ お腹がぼこんっておっきくなっちゃう ぐぢゅ じゅぶっ ぬぶぅ 「ああっ……あっ あっ!……あ!……ああ!」 おつきさまが はいってくる おっきぃよぉ ごり めき ごぎ 「……わ……」 いちばんおっきな音がして、何もわかんなくなった ぼんやりと 手をのろのろと上げる 肩がずきり痛くて、ゆっくりとしか動かせなかったから 手首には白い包帯が丁寧に巻いてあった 寝ているベッドも、ふわふわでいい匂い 目の前に薄い金色が被さってじゃま 払い除けたら…… 「……髪?」 瞬いても同じ 真っ黒だったはずの私の髪が、淡い金色になっちゃってる ……きぃ 「お目覚めになられましたか」 顔を向けると、お爺さんが一人 静かな とても偉い人みたい その人が私に向かって、深く頭を下げた 「……もう、いいです」 全部分からないことだらけ でももうどうでもいい ゆっくりと お腹をさする あの狂ったみたいな中で……今はもうなにもなかったみたいに元にもどってるけど とくん 小さくて、優しい金色を感じたから 「……私、お母さんになったんですね」 つぶやいたら、お爺さんははっとしたみたいに 「巫女さまには、真に申し訳なく……」 辛そうな顔は嘘じゃないと思うから 太陽の神殿と違って、月の神殿は世界中どこを探しても一つもない 夜と狂気と邪淫の教えとして弾圧されて、とっくに焼かれちゃったから でも、月を信じる人たちは生き残ってた ここに こうして 少し大きくなってきたお腹をなでながら、子守唄を口ずさむ ……お母さん、心配してるかな 私がこんなことになってるなんて、思っても見てないだろうから 皆私のことを大切にしてくれる 「巫女様」 「え? ああ、いいよ」 足を開くと、そこに壷があてがわれる ……本当は今も恥ずかしいんだけど 「……ん」 ちょろ……しょろろろろろ 自分でもびっくりしたけど、私のおしっこはきらきらと金色に光る 砂金よりも優しい光 だから、もしかしたらって ……月はけして邪悪じゃないんじゃないかって 「……ふぅ……ぁ……やんっ」 「お清めいたしますから」 そう言いながら、私の秘花をぴちゃりぺろ舐め上げる 仰け反って 声を抑えきれないだって 「あっ……ああぁっ!……」 すごく……気持ちいいの 彼女は壷を捧げるようにしながら出て行った 日替わりで私の世話をしてくれる いつの間にか、腰まで伸びた髪 「また、切ってもらわないと」 伸びるのがすごく早くて、油断してると床を引き摺るようになっちゃうから 皆が私の髪をお守りにしてるって聞いたときは、嬉しかったけどとても恥ずかしかった 一つだけ、お願いしたことがある もう誰も、あんな風に騙したりしないでって そのかわり、私がずうっと、お月様のお子を生みますから…… とんとん 小さな音 低い方から聞こえた、それだけで誰だか分かる 「なあに?」 「かあさま、いい?」 ふわりと金色の髪を伸ばした幼女 頷くと、とと と走り寄ってきて、私のお腹にそっと耳をつける 「ファリスはどうしたの?」 「兄さまはまだお勉強 かあさま、わたし今度は妹が欲しいな」 「まぁ」 くすくす 抱き上げて、頬を摺り寄せる 「そうね、きっと妹よ いっしょに名前を考えようか」 「うんっ」 もしかしたら、この子達は世界に災いを齎すのかもしれない それでも 私は くすくす 「かあさま、だぁいすき」 <2005.09.18 UP>
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