■ 禁足地 沢村様 魔除けの木の間をそっと抜けてアリシアはそこに踏み込んだ。 果樹園での収穫作業も昼を過ぎてからは上の空になっていたかもしれない。ここ数ヶ月で憶えた自慰に耽りきっている少女の一人でいられる自由な時間は、そのほとんどが自慰で終わる。町の中では駄目だった。2人の弟と祖母もいる小さな家ではプライバシーなどほとんどなく、快楽に耽りきる事など出来る筈もない。一度はベッドの上で足を開いてる姿を上の弟に見られてしまっていた…アリシアは15歳、弟は13歳、まだ経験がないとしても弟が既に男として機能する事を姉は毎日の洗濯係としても知っている。 果樹園も湖畔もいつ誰が来るか判らない緊張で自慰に耽りきる事は出来なかった。緊張感がたまらないと感じた事はあっても、弟に見られてしまってからは流石に気まずさからアリシアは人の気配から極力避ける様になっていた。小さな町では顔見知りでない人間などおらず、そして小さな町の周辺はそのほとんどの土地が誰かの農地になってしまっている。その結果、少女は人目を避けて誰も踏み込まない禁足地へと足を向けた。――魔物が棲むと言われているが、人目を避けて小高い丘にほんの少しだけ踏み込む程度ならば逃げ出す事は簡単だろう。そう少女は考えていた。 倒木の上に篭を置き、アリシアはくるぶしまである長いカートルをめくりあげて白いドロワーズの腰紐に手を伸ばす。自慰に耽れると思った瞬間から疼いていた下腹部に、既に谷間がぬるぬるとしている事には気づいていた。どうせ洗濯するのは自分なのだが、弟の汚れた下着と自分の汚れた下着では共同の洗い場で洗う時の気恥ずかしさが異なってくる。するりと腰紐を解き、アリシアがドロワーズを腿まで降ろすと簡素な布は足首まで落ちていった。 鬱蒼とした森は下草も生い茂り、倒木も乾燥している事はしているが少しでも湿り気がある部分には苔がうっすらと生えている。仰向けで自慰をするのが好きではあるものの、服の汚れを気にすればここでは横になるのは避けておくべきだろう。めくり上げたカートルの裾をエプロンのベルトに挟み込み、ほっそりとした足を開いたアリシアは前屈みになり片手を倒木に着く。ゆったりとしたドロワーズの中に篭もっていた蒸れた空気に代わり、森のすこし冷たい空気が内腿と下腹部に触れる危うい心地よさにアリシアは瞳を閉じ緩い吐息を漏らす。静まり返った森は人の気配がない事を一度確認してから、少女は空いている手を剥き出しになっている下腹部へと伸ばした。 「っ……あ……あぁ…っ」 伸ばした指に既に大量に溢れている愛液がぬるぬると絡みつく。まだ自慰を知って数ヶ月しか経っていないというのに15歳の少女は毎日の営みでそれなりの快楽を憶えてしまっていた。 女は結婚するまでセックスをしてはいけないという道徳は弁えているが、それは自慰を禁じるものではない。もしかしたら誰もが結婚するまで自慰に耽っているのかもしれないが、逆に自慰に耽っているのは町娘の中ではアリシアだけなのかもしれない。――弟達と自分の3人の子供部屋から抜けだして夜中に自慰に耽ろうとしたアリシアは幾度か親のセックスを目撃していた。指を入れるのも躊躇われる所を、父親が大きなモノで貫く。ぎしぎしとベッドを軋ませる力任せの抽挿に母親が声を殺してよがり狂う。あれと比べれば指など何の問題もないかもしれないが、それでもまだアリシアは膣の中に指を入れる事だけは躊躇っている。逆に、膣以外ならば禁忌のないアリシアは勢いよく膨らんだ胸も少しくびれはじめてきたウエストも自ら撫でて快楽を得ようとする事に躊躇いがなかった。 直線的にアリシアの指がクリトリスをこね回す。最初は痛かったがそれも既に慣れ、隠れての自慰の時間的余裕のなさから少女の快楽への欲望は大胆になる一方だった。親指と中指と薬指の3本を使って小さな突起を摘み上げる様にしてこね回し、擦り潰す。果樹園からずっと濡れ続けていた谷間は控えめな襞まですっかり愛液にまみれ、一擦りするたびにあからさまなにちゅにちゅとした粘液音を静まり返った周囲に響かせる。 「ぃい……っ…、きもちいい……きもちいいの、ぁ……う…ぅは……ぁ……」 直接的な行動に出てから急速に火照った肌に、カーチフを被り豊かな蜂蜜色の金髪を三つ編みに結った残りの後れ毛が汗に濡れていた。人目に隠れて行う抑圧の為か、アリシアの自慰は逆に大胆で誰かに見せつける為の様なものに変わっていく。年齢の割に大きなヒップを左右に揺すり、肩幅より大きく大胆に開いた足の踵が跳ね上がるたびにひっかかっているドロワーズが揺れる。剥き出しになっている下半身と比べ、長袖に襟刳りのほとんどないカートルを着込んだままの上半身は熱気の逃げ場がなく酷く蒸れてしまう。服の中で押さえつけられている胸の間を汗が滑り落ちていくのを感じ、アリシアは潤んだ瞳を左右に動かす。――どうせ誰も踏み込む筈がないのだから、もっと大胆になっても見られる事はないだろう。 クリトリスをせわしなく擦り続ける指をそのままに、剥き出しにした腰を宙に軽く突き出したまま倒木についていた手でアリシアはカートルの胸元の留め具を外した。細い金の産毛を汗に濡らした豊かな乳の胸元が露になるが、それは少し通気がよくなっただけに過ぎない。 更に前のめりになったアリシアはエプロンのベルトで締められているカートルの前の合わせをぐいと開く。まだ町男の誰にも見せていない、しかし服越しにも目立つ豊かな胸が汗にまみれて合わせの間からぶるんとこぼれた。鮮やかなサーモンピンクの乳首とほんのりと淡く染まったミルク色の15歳の胸は大きく弾み、静まり返った鬱蒼とした森の中で自慰に耽り続ける下腹部と共に淫らな空気を漂わせる。伏せ気味の姿勢にまだ男を知らない乳房は少し形を崩して前後左右に揺れていた。それを少女の手がそっと包み、そして揉みしだき始める。まだ硬さのある胸だったが、この数ヶ月で揉まれる事に少しずつ自ら慣れた胸の先端の疼きにアリシアは腰を前後にくねらせる。 自慰に耽るたびにセックスへの興味が強くなっていく。特定の誰と結婚するのかとなると15歳にもなってピンとこないのは父親のセックスの逞しさのせいかもしれない…残念ながら同い年くらいの少年には30男の逞しさを求めても無理な話だろう。そして、もう一つの理由は何度となく見てしまった弟の自慰の為かもしれなかった。――13歳の上の弟はまだ6歳の下の弟と違い教会で勉強を習っている為、家族のほとんどが果樹園で働くアリシア達とは生活のリズムが違っている。その弟の自慰を早く帰宅した時にドアの隙間からアリシアは最後まで見てしまっていた。最初は気まずさに立ち去ろうとしたものの目に映ったモノの大きさにその機会を失った姉に気づかず、そしてまだどこか幼い身体に不似合いな父親よりも長大な猛々しいモノを姉の名前を繰り返し呼びながら擦りたてた弟が大量の精液をほとばしらせるのを。自分の愛液に似たどろどろとした透明な先走りの汁を奇怪な程血管をグロテスクに浮かび上がらせている幹にまで絡ませてぐいぐいと擦り上げて弟が仰のく。どちらかといえば女性的な繊細な顔はアリシアと同じ母親似であり、弟が農作業でなく教会で勉強を習うという話を聞いた時には姉は何となく納得してしまった。力仕事よりも幼い頃から賢かった弟が父親の跡を継ぐ事はないだろうと昔から考えていた。その弟が自慰に耽りながら臭いを嗅ぐのは姉の枕だった。 セックスの好奇心を両親で充たし、そして異性の威容を弟に見いだしてしまった結果、アリシアは特定の町の若者に性的好奇心を向られずにいた。セックスには興味があるものの何故か恋愛感情を異性に覚えないのは、町の若者が話しかけてくる時の視線に気づいた為かもしれない。15歳になる前から同い年の中では一番胸が大きく、整っているもののあどけない顔立ちとのギャップをアリシアは気にしていた。それを更に意識する様になったのは何気ない話をしていた時の男達がアリシアに向けるいやらしい視線の為かもしれない。道徳観念が緩いワケでもない町で、淫らな牝を見る様な卑猥な目で見られるのを感じ続けているというのに誰とも恋に落ちていない…求められる貞淑と環境のギャップにアリシアは戸惑っていた。 果樹園の収穫作業をしていても細くしなやかな指でせわしなく突起をこね回していたアリシアは、直線的な快楽で達しかけるのを感じて指を襞へと滑らせる。折角人の目を気にしないで済むのだから心ゆくまで自慰を味わい尽くしたかった。いっその事服をすべて脱いでしまった方がいいのかもしれない。淫らに膨らんだ丘に比べ貧弱な程薄く小さな襞の唇はまんべんなく愛液に絡みつかれ指の間を滑り抜けてしまうが、少女は夥しい愛液を滴らせているその状況にすら気持ちよさを憶えて腰を高く突き出してくねらせる。 自分の指を挿入するのは躊躇われるが、セックスはしたかった。母親の様にいやらしくよがり狂うには自慰だけでは足りないだろう。どれくらいの大きさで自分は貫かれるのだろうか、父親の大きさか弟の大きさか。たった1度達するだけでは物足りないアリシアを何度達させてくれるだろうか。セックスはどれくらいの時間するものなのだろうか。 「欲しいの……して、して頂戴……!きもちいい事、して……っ!」 粘膜の谷間を張りつめて痛みを憶える程指で開くアリシアは膣口がひくひくとわななくのを感じ、貫かれる快楽を想像して全身を前後にくねらせる。 熱く疼く膣口に不意に冷たいものが触れた。 「――ひ……っ!」 大きく身体を跳ねさせて背後をアリシアは見たものの、そこには誰もいない。しかし冷たい感触がそのまま残っている為に視線を下に動かした少女は、下草の間からまっすぐに自分の下腹部に細長いものが伸びているのに気づいた。 小指ほどの細さの緑色のものは伸びすぎた大きな山菜の様なシルエットだった。わずかに引いた腰にそれでもついてこようとしている先端は細長く渦を巻き、それをまっすぐに伸ばせばまだ30センチはあるかもしれない。最初自分の愛液が絡みついているかもしれないと考えたものの下草まで濡れているそれはそれ自体の粘液らしかった。 「……。これが、魔物……?」 町で見た事がないモノであり、自ら動く緑色のモノは異常なものだと思うが、しかし禁足地に棲む魔物と考えるにはその大きさは脅威と思えるものではなかった。この程度ならば草刈り鎌を使えば簡単に刈り取れてしまうだろう。呆然とするアリシアをそのままに、下草から伸びる緑色の触手がゆらりと蠢き、無防備に晒し出されたままの谷間を掃く様に滑った。 「ん…っ……。ぅ……は……」 自らの指以外に初めて撫でられたアリシアは腰を突き出したまま身体を震わせる。初めての自分以外ならではの予想の出来ない動きにぞくりと背筋を甘く危険なものが這い上り異形のものへの抵抗を遅らせた。確かに触れてきた動きは気になるがその太さも長さも蛇と比べても大差なく、服装の乱れもあり少女は逃げだそうという考えに至らない。しかし蛇という想像に慌て、アリシアは身を引いて触手を見る。 植物と考えていいのだろうか?牙の様な危険な箇所はとりあえず見つからない…しかし渦を巻く部分にそれがないとは限らないが、それを手に取り伸ばしてみようとは流石に少女は考えない。有毒な可能性もあるが、既に撫でられた感触とが酸や高温といった直接的な危険を感じさせないのも問題だった。 突き出していた腰を引いてはいるが開いた脚をそのままに後ろに首を巡らせているアリシアの瞳に蠢く触手が映る。その動きは動物のものより遅くゆらゆら蠢いているだけに過ぎない。しかしそれはゆっくりとアリシアの下腹部へと触手を伸ばしていた。 「……」 たかが小指ほどの太さの触手がゆっくりと動いているのならば危険を感じた時に逃げればいいのかもしれない。妖しい緊張に脈打つ胸に生唾を飲み、アリシアはカートルの合わせからこぼれる胸をそのままにゆっくりと両手を倒木について腰を突き出した。カートルの裾をエプロンのベルトに挟み込み、足首に落ちたドロワーズまで何一つ纏っていない処女の下半身を鬱蒼とした森の午後の日射しに晒したまま、少女は正体不明の触手を淫らな場所へ誘う様に腰を一振りする。 かすかに風は流れているもののそれは空気の循環といった程度のものであり他の生物の気配を運んでくるものではなかった。鬱蒼とした森であるならば鳥のさえずりなどがあってもおかしくないというのにその空間には昂ぶったアリシアの吐息と、時折かすかにしゅるりと粘液を滑らせて鳴る触手の蠢く音しかない。 再び触手がアリシアの下腹部に触れた。窓辺に植えた植木の花が咲く速度とは比べモノにならない動きではあるが少女自身の自慰よりは遙かに遅く、少女の足下の下草の間から姿を現している触手が自慰でぬかるんだ処女地にのたうつ。ひとつまみ程度しかない蜂蜜色の柔毛を触手の茎がねっとりとしたわずかに白濁した樹液をなすりつける様に左右に暴れ、熟れかけた15歳のすべてを丹念に調べあげる様に渦を解いた先端の細い縄状の部分が包皮に、突起に、薄い襞の左右に絡みつきゆっくりと蠢く。ただ単なる円筒形の触手ではないらしく、微妙な凹凸が滑るたびに粘膜を掻く様に押しつけられ、やがて少女の窄まりと双丘だけでなく腿にまで幹はからみついていた。 自分の両手だけでは味わう事の出来ない広範囲への同時の愛撫に、アリシアは背を弓なりに撓らせる。力などさしてなさげだった触手が内腿を圧すのを感じ、他者に脚を更に開かされる淫らさに戸惑いながらも期待で甲高い吐息が漏れた。 「――いぃ……っ、すごく…いいっ……!」 嗅ぎ慣れた自分の愛液のにおいと草を手折った様な青臭いにおいが周囲に篭もるのを感じながら腰をくねらせる少女に、手を倒木に着いた俯せの体勢にきっちりとしたカートルの合わせから淫らがましくも初々しい張りのある乳房が剥き出しのままぷるぷると暴れる。濃密な樹液のぬめりの意外な心地よさに何度もパンプスの踵を浮かせ、首を振りたくる少女の頭からカーチフが落ち、男を惑わす淫らなものとして隠すべきとされる豊かな金髪の三つ編みが宙で揺れた。 下半身に絡みつく触手の長さはアリシアが最初に考えた1メートル半程のものではなくその身体に絡みついているだけで2メートルを越える長さになっている事になっており、そして下草から直接生えているのではなく草の間を縫う様に禁足地の奥深くから伸ばされ、今もなお更に15歳の肌をまさぐる為にゆるやかに送り込まれている。 「う……っ…あ……!」 谷間を擦っている触手の先端が徐々に膣口の周囲ばかりを愛撫する様になったのを感じ、アリシアは反射的に腰に力を入れて引き締める。触手が何をしたがっているのかはアリシアには判らない…それが獲物を食べる為と考えるには触手には口が見あたらずそして食虫植物の様な酸も感じられない、ならば何をしようとしているのか。ただ単に剥き出しになっている身体の部分を調べられているのかもしれないが、触手の先端の動きは執拗に膣口を撫でまわし、そして時折その奥へと進もうとしかけては力の弱さで弾かれている様だった。膣口を撫でるに慣れているアリシアは触手の動きのぎこちなさが堪らない。 「――もっと……もっと強くぅ…っ、あっ……あぁ…っ……!はぅ……あふぅっ……」 触手の動きに任せていても望む通りの刺激を与えられないのを感じ、アリシアは触手のぎこちない動きにあわせて腰を上下に動かせるが、やはり人間同士ではない為なのか膣口を強引に弄ぼうという積極性がそれには薄い。そもそも女を悦ばせる為に存在している筈のない触手に焦れるアリシアの膣口からは自慰とは比べものにならない夥しい愛液が溢れ、触手の粘液と絡み合い柔肌に塗り込まれていく。その粘液の量が増え濃くなっていくにしたがって強まっていくにおいは弟の下着や両親の寝室に篭もっていた牡の性臭に近く、吸い込むたびに性欲の強い少女を淫らにさせた。 犬の様な声をあげて腰を振るアリシアは片手を下腹部へと伸ばし、触手の先端を探す。 「……」 蒸れて火照った粘膜に触れていた為にほのかに温かくなっている触手に触れた瞬間、アリシアに異形のものへの抵抗感が強まる。しかし紐程度でしかないとかんがえていた先端が思いの外太いのに気づき、それは性的欲望に変わってしまう…親指程度の太さだろうか、弟のものは当然ながら父親のものよりも細いそれをほんの少し挿入する程度ならば問題がないだろう……。 ごくりと生唾を飲み、アリシアは手にした触手を膣口へと導いた。華奢な手の中で蠢く触手は縄の様な凹凸があり、それが脈打つ様に蠢いている。しっかりと掴むにはぬるつきが激しく難しいが、触手がアリシアの動きには逆らわないのもあって淫らな少女の禁断の行いは滑らかに行われていく。 「そう……ここよ、この……あな…。ここに入るの……」 緊張と昂ぶりに獣じみた荒い呼吸を繰り返しながら処女地の入口へと触手を導いたアリシアは、触手の先端を膣口へと押し当てた。 次の瞬間、手の中の触手がずるりと滑り、少女自身の指すら迎え入れた事のない膣へと逃げる魚の様に勢いよく潜り込んだ。 甲高い悲鳴と淫猥な粘液音が鬱蒼とした禁足地にこだまする。 「あ、あひっ……ああぅ…っ!あっ!んぐ……ぷっ…んぷ……ぅ!」 最初の遅々とした動作が嘘の様に処女地である膣内で激しく蠢く触手に腰を突き出したまま身体を前後させるアリシアの酸素を求めて喘ぐ唇に、不意に触手がぬるりと割り込んだ。膣を弄ぶ触手が先端部だというのに口内に滑り込んだ部分も同じ様に先端部なのを感じ驚いてそれを見る少女の瞳に、下草の上の複数の触手のうねりが映る。最初の1本よりも細いものもあれば太いものもあり、それらは森の奥側から囲む様にアリシアへと伸びていた。たった一本でしかも細く動きも遅いからと油断していたアリシアは思わず身を竦ませるが、それも膣内と口内を激しく掻き混ぜる触手の妖しく力強い動きによって引きずり出される強制的な快楽に流され15歳の肢体を淫らに跳ねさせるものに変わっていく。 犯されるという思考が弾け、首を振りたくるアリシアの火照った肌に汗が多量に滲み出す。町の人間が誰も踏み込まない場所で異形のものに犯されるのでは誰も助けにはこないだろう…しかしそれは救いでもある。貞淑さを求められる社会では異形のものであろうが家畜であろうが行きずりに人間であろうが夫以外のものと交わった女は軽蔑の対象でしかない。町の人間に白眼視されいつのまにか町を出てしまっている例はまだ大人でもないアリシアでも知っている。犯されてもふしだらとされる風習で、ここまで激しくなるとは考えていなかったとはいえカートルの裾をベルトに挟み込んでいる以上はアリシア自身の自主性が存在しているのはどう見ても明らかだろう。ならば町の人間に見つからないのは救いになる筈だった。――しかし、夜になれば帰宅しないアリシアに何かがあったのではないか捜索されてしまうだろう…それまでに解放されるのだろうか?そもそも触手が人間の女を犯す意志はあるのだろうか?そして、少女は何をされているのだろうか? 最初はぬるつき以外の何も感じられなかった粘液が、徐々に痒みを伴う軽い麻痺をひきおこし始めていた。粘液に最初に触れた下腹部はひっきりなしに縄状の無数の凹凸で粘膜を擦り上げ続けられている上に、掻きむしる程ではないが粘液が浸透した箇所には羽箒で常に掃き続けられている様なこそばゆさと湯に浸っている様な鈍いもどかしさが支配している。自慰で性感を既に目覚めさせている少女は、父親の荒々しい情交によがり狂う母親と瓜二つの淫らな動きで腰を振りたくる。汗と粘液でぬるりと濡れている白いヒップが前後左右に暴れ、その下では紐状だった触手が肥大し、一面に奇怪な瘤を無数に浮かばせている親指程の太さの穂に似た先端が、長々としたストロークで少女の愛液と触手自体から滲み出る半透明な粘液を膣内に絶え間なく擦り込みそして溢れさせていく。徐々ににじり寄った触手の1つが糸の様な細い触手を自慰で鍛えられた処女と思えない程あからさまなクリトリスを根本から締め上げ、前へと強く引き延ばす。 「あ……ひっ!痛……ぃいっ!あつい…っあついのっ、あひぃっ……ぐ…んんむっ……んぷ…むぷっ!」 強く振った首に、じゅぽっといやらしい音をたてて唾液と粘液の糸を滴らせて口内から触手か抜けたアリシアは助けを求める悲鳴ではなく甘く淫らな訴えをそれを意識するものの一人もない森で口走り、そして更なる触手にまた口を塞がれた。昴ぶった啜り泣きが小鼻から漏れ、唇の端からは嚥下しきれなかった唾液と粘液がどろりと細い顎へと滴り落ちていく。ウエストのベルトと袖だけで締め付けられているカートルの胸元から何本もの触手が潜り込み、薄い柔毛の生えた脇の下をねぶり、鎖骨から肩を執拗に往復し肩胛骨へと滑る触手が徐々にカートルとエプロンの肩紐を薄い肩から引き下ろしていく。火照った身体の熱さと粘液のもたらすむず痒さに絶え間なく肢体をくねらせる少女の肩から服が滑り落ち、既に露出していた淫らに突き出した豊かな乳房だけではなく白い肩胛骨までが陽光に晒され、無数の触手がその上を這い回る。 がくがくと激しく身体を震わせたアリシアの手が倒木の上で滑り、下草の上に落ちかけたその上半身を触手が宙で留めた。危うく倒木の上に激突させかけた顎から首にかけてを父親のペニスほどの太さの触手の幹が留め、そしてその先端は膣を責める触手と同じ様な奇怪な穂を喉奥まで強引に少女に突き立てながらも唇の外にまで瘤を浮かび上がらせている。クリトリスを弄ぶ細い触手の先端から滲み出ている粘液はほとんど透明であるが、口内を責め立てるものから溢れるものは白い濁りを増し、その臭いも強く少女の鼻孔から爛れた思考までを更に穢していく。 弟の下着のまだ乾ききらない白いぬめりの臭いにそれは酷似していた。その時はまだ弟の射精を姉は見ていなかったが、両親の交わりでそれが精液である事は想像出来ていた…誰もいない洗い場でじっとそれを見つめる姉の指が伸び、白い指がそれよりも更に白い液体を湿った布からすくい取る。水とは異なる粘りけは糊に近かったが冷えている。指の間で延ばし顔を寄せ、姉は弟の精液と判っている粘液の臭いを嗅ぐ……。 ベルトで服をキツく締めつける事は女性の貞淑さを求める社会では重要視されていたが、アリシアのカートルは既に滑らかな背中も白い腰も剥き出しになっており、ただ無意味に服を身体に留めているだけに過ぎない状態になっていた。ただでさえぴったりと締めたベルトにカートルを挟み込んでいる状態は窮屈であり、もがく身体にはそれは邪魔としか思えないものだった…ただベルトを外してしまえばゆったりとしたカートルの中を触手が自由自在に蠢いてしまうであろう事は確かである。弟に見られるまでは服をすべて脱いでの自慰の開放感を味わっていたアリシアには着衣のままの快楽がどこか疎ましく、何より粘液が服を汚す事が気になって仕方がない。――だが、触手に犯されているというのに自ら服を脱ぐ事はどこか尊厳を損なう気がしてならない。 「あひっ……ぅあ……くぷ…ぅぷ……っ!んぐっ……んうううっ」 親指程の太さの穂で激しく抽挿される膣口のどろどろを溢れる粘液を掻き分ける様に撫でていた細い触手が、まだ熟しきっていない膣に無数の瘤を浮かび上がらせている穂が勢いよく打ち込まれるのに巻き込まれ膣内に捩じ込まれた。捻りつつ押し込まれる穂に絡みつく形の触手は瘤の隙間に固定されよりいびつな形になり少女の膣をざわめきながら責めたてる。表面の瘤の蠢きとそれに巻きつく触手のうねりは人間に真似の出来るものではなく、膣内にも容赦なく、いや柔肌以上に塗り込まれ続けている粘液の痒みと麻痺は処女地を荒らされる痛みを軽減させ15歳の少女に自ら腰を淫らにくねらせ続けた。中腰になりかけているヒップを下から伸びた幾筋もの触手が搦め取り宙に縫いとめ、更にまた触手が膣内へと捩じ込まれていくその膣口から、どろりと少女の鮮血と濃厚な精臭を放つ触手の分泌液の混ざった濃密な粘液が太い糸を下草へと伸ばし、草の上に重く弾ける。 膣を直接的に弄ぶ事だけはしなかったアリシアは、麻痺で軽減された鈍い痛みが処女喪失のものだと感じながらも腰を前後に獣じみた動きで振りたくる。両親もこの様な感覚を味わっているのだろう、膣を押し拡げ容赦なく突き上げられられながら少女はうっとりと長い睫毛を震わせる。恐らくは自分の力では今すぐ逃げ出す事は出来ないだろう、それならば今の状況を満喫しなくては損だという感覚が異形のものに犯される抵抗感を押し流していた。どうせ逃げられないのである、それならば無駄に足掻いてしまわずやり過ごす方が賢いだろう…。人間としての尊厳を踏みにじられる絶望よりも快楽と恍惚感にのめり込むのは狂気から逃げる為なのかもしれない。 びちゃびちゃと濡れた音をたてて撫で回される腋の下にアリシアは脇を締める事も出来ずにもどかしさに足掻き、触手に根元を絞り込まれ球の様に突き出している豊かな乳房を宙で弾ませる。その胸の先端のサーモンピンクの乳首は更に鮮やかに色づき、それを肥大した触手の穂の先端の窪みが挟み込み吸いたてていた。何人もの町の男に劣情を催させていた淫らな熟れかけた果実が緑色の触手に吸いつかれ、その穂の瘤の一つ一つから滲み出す白濁液を塗り込められていく。母親が乳首を吸われている光景は自分の時のものは幼過ぎて憶えていないが下の弟に乳を与えている光景は見ているが、母親は父親に吸われている時と弟に吸われている時の風情がまるで異なっていた。母親の顔といやらしい牝の顔の違いが何故発生するのか判らなかった少女は、触手に乳首を吸いたてられて淫猥に鳴きむせぶ。自ら乳首を指で捏ね上げる行為など比べ物にならなかった。 口戯など満足に出来る筈もない少女を酸欠から救う様に、触手は時折自ら口内と喉奥から抜け出て呼吸する機会を少女に与える。 「――いい……っ、あぁあああ…っ……きもちいぃ!いぃの…!あついっ…ひぁ……もっとっ……ふ…ぐっ……ぐちゃぐちゃにしてぇっ」 声に出す事は気持ちがよかった。弟に自慰を見られた時から避けながらもあの熱い視線を思い出すたびに堪らなかった。声をあげていればいつか弟がまた見るかもしれない、それは避けねばいけないと考える同時にアリシアの自慰を挑発的なものに変えていく。行水の湖畔の陰で、まだ親離れしきれない下の弟が両親の寝室へと去ったベッドで、寝入ったフリと判っている枕元での着替えで、弟の視線が絡みつく。姉が他の男に抱かれる所を想像するのだろうか、それとも自ら汚す事を想像するのだろうか、腰までの蜂蜜色の金髪のうねりを揺らしながら、わざとアリシアは胸を弾ませる。そして翌日にはべっとりと濡れた弟の下着を洗う。この光景も弟は見たいのだろうか。精臭にまみれた姉を前にあの大きなペニスを擦りたててくれるのだろうか。 次にまた口内へと触手が捩じ込まれる前に、アリシアは下を見た。肥大しただけなのかと考えていた触手は5本程の束になり膣内へと各々の蠢きで抽挿を繰り返し、緑色のその表面は白濁と鮮血の混ざった粘液が束の間を埋める様に満ちている。将来結婚する相手に捧げるべき処女を魔物に奪われたのだという悲しむべき事実を、少女はぼんやりと把握するだけだった。 弟のペニスと同じくらいの太さと思った瞬間、触手に蹂躙される膣が収縮しアリシアの襞は痙攣する様に淫らな蠢きを繰り返す。 恍惚に唾液と粘液を口の端からたれ流すアリシアの蹂躙され続けている膣口と重なった触手の隙間から、どろりと濃厚な液体が噴き出した。 「あー……あぅ…ぅ……っぁ……」 自慰とは比べ物にならない絶頂感に前後にぴくぴくと身体を震わせるアリシアの無防備な窄まりを、触手が舐める様に撫で上げる。排泄坑を愛撫される妖しい刺激に流石に嫌悪感を煽らはするものの未知の快楽から抜け出ていない少女の反応は酷く鈍い。既に瘤から白濁液をどろどろと溢れさせている触手は親指よりも太く、人外の存在には人間の娘の膣口も排泄坑の違いもないのか焦らす様に首をくねらせつつずるりと窄まりを圧し拡げた。 「あ……ひっ!あぐ…ぅ……っ、う……」 窄まりを責め立てる触手が腸をなぶる様にくねりながら奥へと進むたびに、既に異物に満たされている膣が外から圧迫されて骨盤側の襞を前後から圧し擦る。緑色の蔦に似ているが木の枝とは異なりくねる触手は少女の膣がしゃくり上げて蠢くたびに脈打つ様に同調し、その硬さに暴力性を感じさせる事はない…しかし快楽に反応する少女の肢体を絡め取る力は緩められる事なくより淫らな姿勢へと少女を操っていく。触手が潜入しやすい様に腰を突き出させられた下半身はいつの間にかしゃがみこむ形に近い状態になり、糸に似た触手が尿道にすら侵入し、クリトリスも内腿も下半身の余す所なく少女を責め立てる何十本もの触手は少女を植物に根付かれたオブジェの様な姿に変えていた。 「あ…っ……あひ…っ、きもち……いい……いぃ…っ! あー…ぁ…ぅ……いい……」 首を振りたくるアリシアの膣口からどぼどぼと溢れ、白い柔肌に擦りつく大小様々な瘤から吐き出される樹液は更に濃密になり牡の性臭を少女の柔肌に染み込ませていく。 男女の性交ではあり得ない惨めな責め苦でありながら、自慰では得られない快楽に少女はそれから身を守ろうとする意識を持てずにいた。あまりにも違い過ぎる存在とでは生殖として子を成す事がまずあり得ない為だろうか、まさか15歳の膣内を満たすどろりとした樹液が妖しいのものでありながら、だからこそ人間の女を孕ませる可能性のあるものだとは想像も出来ずに、膣と窄まりを犯されつつ少女は腰を振る。 下半身の3ヶ所の穴を責め立てられて乱れた歓喜の声をあげるアリシアの唇を腕程の太さをした触手の先端が樹液を擦り付ける様に撫で、小さな舌がミルクを舐める犬に似た動きでそれを掬い取り嚥下する。母親の口戯をなぞり、怪物の樹液を恍惚とした表情で飲む少女の口内に濃厚な青臭さと薬湯よりも苦く喉に絡まる粘液が広がり、そして自ら唇で樹皮から刮げ落とす形で更にそれで少女は喉を鳴らす。 弟の生の精液もこうなのだろうか…弟の下着についている白濁液の感触とにおいは知っていても、流石に溢れたてのそれと乾き始めたそれは異なるだろう。見て、触れて、臭いを嗅いで…流石に舐める事は躊躇われた。母親の様に顔に浴び、口に出されても心地よいものだとしたら甘いのだろうか。やはり人間とは違うのか、怪物のものは苦く濃く舌と喉に絡みつき、口内粘膜をも犯していく様な感触だった。でも、弟のものと臭いは似ている。 「ん……ぱぁ…っ」 整った鼻の頭にまで塗りたくられた白濁液が長くうねる緑の触手の穂までどろりと糸を作った。 もしかしたら、人間同士のセックスよりも淫らな行為をしてしまっているのかもしれない、しかし、人間以外との快楽というモノは、生殖行為にあたらないモノはセックスと呼べるのだろうか。――もしも、この淫猥な交わりから解放されて町に戻ったとして、2本の腕と1本の性器しか持っていない人間の男の交わりで自分は満足出来るのだろうか……? 樹液による軽い麻痺で痛覚の鈍った口腔に限界まで穂がねじ込まれ、容赦なく大量の淫臭漂う樹液が喉奥へと流しまれながらもアリシアは腰を振る。じゅぽじゅぼと膣を犯す触手の穂が、その全長を納めきれずにぽってりと腫れ上がった丘と限界まで引き延ばされた膣口の周囲の襞にまで粘液を振り撒いていた。少女の血よりも多く溢れる愛液は初めて異物を受け入れたばかりだというのにひっきりなしの快楽にざわめく膣のざらつきと植物らしい硬さの瘤の間で樹液と絶え間なく撹拌され、白濁とした液体は泡立ち子宮をも浸して、そして溢れかえっていく。 人間では到底到達出来ない腸の奥まで瘤に犯され、そしてずるりと勢いよく引き抜かれかけてはまた奥へとねじ込まれる。窄まりからものが引きずり出されていく感覚は排泄行為の快感に近いが、野での排泄中に小動物と目が合ってしまった羞恥とは異なり、少女を犯すものは性臭漂う濃厚な粘液と快楽を引きずり出す為としか思えないグロテスクで淫猥な瘤を無数に浮かび上がらせる長大な触手であり、そしてその触手自体が意志を持って少女を犯していた。この触手にとって自分は犯すべき牝なのだろうか、そもそもこの淫らな交わりは生殖活動なのだろうか?種が違うというのに。 生殖という行為を意識した瞬間、アリシアは瞬間的に身を震わせた。 ありえない事ではあろうが、もしも自分とこの触手に子が産まれるとしたらどの様な怪物なのだろうか?緑の肌をしているのか、白い肌なのか、五体満足なのか触手が生えているのか…おぞましいその想像が脳裏を過ぎるものの、それを少女は激しい抽挿行為による妄想と押し流す。そもそも人が人以外の子供を産む事はないのだ、と。少女の生理周期では今日犯されたとしても妊娠する確率は低かった。しかし、今日だけでこの交わりが終わるという保証はどこにもない。 尿道に潜り込み忙しない抽挿で何も犯される筈のない場所を擦りたてる細い触手がずるりと引き抜かれると同時に、宙に浮かされたアリシアの谷間から白濁液と混ざり合った淡い黄色の液体が滴り落ちた。 「――んぐ……っ……」 口内を触手に犯されながらうっとりと少女はかすかにうめき声をあげる。触手によって開かれた尿道からほとばしる液体は堪えようとするならば何とか途中からでも止められる筈のものだったが、少女は開放感に任せてそのままだらだらと放出を続ける。下草の上を這う触手に温かな液体が撒かれる。そもそも溜まっているワケではない尿は奥で触手の粘液と混ざり合っていたのか、ほとばしりが止むと緩い粘度でその最後の滴はかすかに糸を作りながら落ちていく。 喉を鳴らせて淫液を飲み込み、口内を限界まで占める穂をしゃぶろうとアリシアは舌をせわしなく前後させる。父親のモノと異なり触手は萎える事はないのだろうか、とろんとした欲情の瞳で下を見る少女の視界には数十もの触手の穂が蠢き、白い肌に絡みついてぬるぬると締め付け、擦り付けてくる。穂の先端の窪みが乳首を咥え込み、吸いたてていた。自分ながらに淫らに膨らむ乳房が罪人を打つ縄の様に触手に絞り出され、そのすべてが汁で光沢を放っている。汗も含んでいる。愛液も唾液も垂れ流している状態だった。親のセックスでもこう濡れた身体は見た事がない。男は数回しか射精をしない。触手は何十本もあった。しかも萎える事がない。 美味しい。 上腕と脇の下にまで触手に絡め取られているその手首から下だけで少女は触手に奉仕する。自分の手を膣に見立てて筒状にしてしごく…弟の手つきを真似て人外の凶器を愛おしげに撫であげ、指先で瘤の一つひとつを円を描く様にしてくすぐる。自慰でクリトリスを弄ぶ時の柔らかさで、小鳥を撫でる様に優しく撫で回すアリシアの顔が、尿道に再び侵入する触手に喜悦に喘ぐ。まだ糸の様であり小枝よりも細いのは変わりないだろうが、それでも先刻よりも太い。 「あひぃ……っ!」 ずぽっと大きな音を立てて口から引き抜かれた触手に15歳の少女の唇からあられもない声が漏れる。鳥のさえずり一つない静かな森の中、ぐちょぐちょと粘度の高い音ばかりが響きわたっていた。 宙に固定された身体が足掻くたびにひしめく触手から軋む様な音がたつ、音のすべてが自分と怪物の交わりのものである。家族や町の人間を意識して声を堪える必要はない…そもそも声をあげる事に好き嫌いはないが、喘ぐ事を堪える行為は疚しさを強めていく。ならば声を抑えずにいられる状態とは何なのだろう。 「い……いいっ……!もっと…もっとかきまわしてぇ……!あひっ…くは……ぁっ!きて…んぐっ……ゴリゴリして気持ちいいのっ!」 腰を前後に振るたびに乳首と同じ様に触手の先端の窪みに咥え込まれているクリトリスに激痛が走るが、それすらも粘液の軽い麻痺に和らげられているアリシアにとっては淫らで被虐的な快楽に変わっていく。糸の様な触手に根本で縛られ、吸われ続けている少女のクリトリスは異様に膨れ上がり赤く鬱血しかけていたが、それでも腰の動きは変わらない。自虐的なまでの身悶えを繰り返し、アリシアは近くを蠢く触手へと舌を差し出して懸命に舐め上げようと顎を突き出す。 いつの間にか、木々の向こうからそれを見つめている視線にアリシアは気づかずにいる。まばたきもせずに見つめるその先で少女は嬌声をあげ、自ら太い触手を頬張ろうと唇を這わせ、腰を振る。怪物だというのに悦び前後の穴を犯され、そして性器の名前を口にしていた。 だらしなく舌で宙を掻き、唇の端から怪物の樹液と唾液の混ざりあった粘液を垂らしていたアリシアの瞳に、木々の影から自分を凝視する人物に気づいた。 「……」 怯えと、そして昂ぶりの表情で自分を見つめている弟の姿に呆然としたのは一瞬であり、次の瞬間にはアリシアは口内と下腹部の3つの穴を責め立てられ身体を痙攣させる。 何度達しただろうか、いつから見られていたのだろうか…そもそもこの異形のモノとの肉欲はやはり他者の目には肉交に映ってしまうのだろうか。人間との交わりならばまだしも怪物に複数の穴を責め立てられて悦ぶ身体を実の弟に見られてしまった衝撃に引きずり出されたものは理性と尊厳ではなく、肉の疼きだった。姉の自慰を見た弟、弟の自慰の跡を嗅ぐ姉、性欲が存在しない間柄とは言えないだろう。 弟に見られた時にはまだ膣内に物を挿入するには抵抗があった。しかしクリトリスは執拗に弄り、そして服を開けさせている。もっと見たかったのだろうか、弟も両親のセックスを密かに見ているのだろうか、それとも姉の淫らな肉をもっと近くで見て調べたいのだろうか、音を立ててグロテスクな穂が激しく突き入れられる膣口を、窄まりを、触手に絞り出されていやらしく歪む乳房と吸われて疼く乳首を息がかかる程近くで見たいのだろうか、今この瞬間にも瘤の先端から爆ぜる青臭い粘液をどろどろと擦り込まれてる膣壁の恍惚とした締めつけを指やあの威容で犯したいのだろうか。 「お…姉ちゃん……」 きて、と言葉に出せないままアリシアはとろんとした瞳で弟を見つめながら腰を振る。人間にはあり得ない瘤と長大な穂に穴を蹂躙されているというのに、人間の牡の性器が欲しいのはやはり人間の牝の性なのだろうか。欲しい、欲しいと瘤に襞を犯されながら姉は弟の張り出した鰓の感触を想像してうっとりと目を細めた。指先近くまで鳥肌立ちそうな恍惚感に窄まりと膣が穂をさざ波の様に締めつける。でも弟だけが欲しいのではなく、この怪物にも犯され続けたい…抜かれる事など少女は想像もしなかった。同時に犯して欲しい。弟と化物の両方に責め立てられたい、下着についていたあの液体を生で中に出して欲しい、顔でも肌でもいい、腸でも膣でもいい…でも恐らくは童貞の弟なのだから、やはり膣にたっぷりと出させてあげたいと姉は思う。あのしゃぶりつきたがっていた顔で、乳首を噛んで欲しい、たっぷり吸ってもいい。大きな性器以外はまだ子供らしさの抜けない細い身体で、農作業に向かない細い指でいやらしく揺れる胸を掴んで欲しい。町の男が卑猥な目で見つめる胸を弟の指が掴むのを想像するだけでアリシアの背筋をぞくぞくと甘いものがはしる。指の痕がつくまでやっていい、歯の痕もいい。 教会の管轄である禁足地には教会関係者以外が踏み込む事はまずない。姉が戻らないのを心配して弟が捜しにきたのだろうか、それとも教会の他の者もどこか近くにいるのだろうか。 宙に捕らえられたまま、アリシアは弟に見える様に触手の穂を擦りたてる。擦ってあげる。姉の名前を呼びながら自慰しなくても、手も口も性器も何もかも楽しませてあげる。だから来て欲しい。 子宮口を激しく突き上げられて肢体を激しく震わせるアリシアに、蹌踉めく様に弟が一歩前へと踏み出した。 夕暮れ。 倒木の小さな広場に落ちているのは町娘の服と、そして禁足地の奥へと延びていく幾筋もの触手がのたうつ跡、そして湿り踏みにじられた下草と土だけだった。苔の上にわだかまる白濁の粘液と、揺らぐ事のない空気に青臭い性臭が篭る。 暗い森の奥からは途絶える事のない粘液質な水音と、一対の喘ぎ声。 魔除けの木々の間から遠く見える町のあかりが、一つまたひとつと小さく灯り始めていた。 <2007.02.12 UP>
… 続編「背徳の宴 〜禁足地2〜」を読む … |