馨君の画策番外編
パジャマでおじゃま
ANNA様

「…クシッ。」
 小さなくしゃみの音が部屋の中に響く。
 隣を見れば、抱きしめていたはずの身体が無い。
「また、やったな…。」
 ロウタイプのベッドは床から20cmほどしか離れていないし、厚手の絨毯を選ん だので、落下の衝撃はたいしたことは無かったと思うが、そっと起き上がり辺りを見るとベッドの足元の方で人の気配が有る。
 気配の主は一糸まとわぬ姿のまま、寒そうに丸まって…………、寝ていた。
 このままでは明け方の冷えこみで、風邪をひいてしまう。やはり無理してでも着 替えさせるのだった。
 一緒に暮らし始めて、いろいろとお互いの知らない面を発見して、喜んだり笑っ たりしていたが、これだけは一生治るまい。


『馨…お前…、本当〜に寝相が悪いな。』


 寒がって縮こまろうとする身体を、ベッドの上に引き上げながら、そのうち可愛 い腹巻か、一体型のつなぎのパジャマでも捜してやろうと思った。
<1999.04.28 UP>
ANNA様画(^ ^)