[ 七海ちゃん公式FC分室 ]
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「こら、みる。大人しくしなさい」 「いやぁん、離してぇ」 「写真撮るんだから、いい子にしてて」 はしゃいで走り回ってる満瑠ちゃんをみかねて お兄ちゃんが後ろから抱きかかえた。 やめてー、とか言ってても、満瑠ちゃんはけっこう嬉しそう。 そんな様子を慎二さんは面白そうに見ている。 「満瑠ちゃん、終わったらケーキあるから一緒に食べようね」 美夜さんの言葉に、現金な満瑠ちゃんはすぱっと静かになった。 笑いをこらえて構えている廣敷先輩(とお兄ちゃんは呼んでいた)の 大きな掌の中でカシャッというシャッター音が響く。 「もう一枚とるぞー、もうちょい慎二兄妹寄ってみ」 先輩の言葉に後ろでごそごそと動く気配がした。 ちらり、と目線をあげて、僕はあやうく(わあ!)と叫ぶところだった。 声はこらえたけど、顔は赤くなってたかもしれない。 だって、馨兄ちゃんは顔を慎二さんの肩にうめるようにしてて、 慎二さんはそれに顔を寄せるようにしてて、 つまるところ今にも顔がくっつきそうなカンジで。 ああ、満瑠ちゃんがこれに気がつきませんように! 祈るような気持ちで馨兄ちゃんをもう一度見上げたとき、 「よし、じゃあ最後の一枚いくぞー」 廣敷先輩の、低くてかっこいい声が聞こえた。 <2000.01.02 UP>
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