■ どこでもいっしょ 1 沢村様 |
●沢村版「どこでもいっしょ」 - 1 |
「うにゃ……」 「……。お前…誰だ?」 「はじめましてニャ、猫のトロにゃ」 「お前…その耳と尻尾は何だ、その尻尾は!」 「尻尾ニャ」 「俺は出張ヘルスなんぞ雇っておらんわ!」 「ニャ……にゃぁ…んっ」 「!? な、何だよその声は!」 「尻尾は感じちゃうニャ」 「目を潤ませるんじゃないっ!」 「よろしくなのニャ☆」 「いきなりベッドに潜るなー!」 「愛してる人、いるニャ?」 「……。いない!そんな奴はいないっ!」 「ちょっぴりホッとしたニャ……」 「そこで何で俺のジーンズに手をかけるー!?」 「いろいろな事、教えて欲しいニャ」 「何故に俺が教えないといけないんだー!?」 |
●沢村版「どこでもいっしょ」 - 2 |
「帰れ」 「どこでもいっしょニャ」 「……。しかし…教室内に変なものが大量にいるのは何故だ?」 「どこでもいっしょだからニャ」 「持ち物検査で一網打尽になるぞ」 「モノじゃないニャ」 「なら、何だ?」 「トロはだっちわいふニャ」 「ぶっ」 「だっちわいふは気持ちがいいものニャ」 「やめいっ!」 「おはよー」 「よう…、……。その鉄くずは……何だ?」 「聞かないで」 「失敬な。超高性能ロボットのメカさんである」 「ちゃーんと聞こえたな。しかも『メカさん』? はー、わざわざ名前をつけるか」 「R・スズキは型番である」 「な…何よっ! そっちこそその背中に貼りついてにおいつけしてる猫は何なのよぉっ」 「トロはだっちわいふニャ」 「わああああああ!」 「聞こえたわよぉー? だっちわいふ、へー、だっちわいふっ!?」 「トロはどんな事でもしてあげるニャ」 「メカさんもいろいろな事をするぞ」 「ほー。例えばどんな事を?」 「きゃー!きゃー!きゃー!」 「例えば聞かれるままにこんな改造をしてみた!」 「うおっ! ――その巨大なモノは何だ!?あー!?」 「トロは知らないニャ。教えてニャ」 「聞かないでよぉっ!悪ふざけだったのっ!悪ふざけっ!」 「何?リクエストに応えて人造真珠大回転まで機能するぞ?」 「じ…人造真珠……」 「知ってるニャ。腐ると怖いニャ」 「やだっ!何教えてるのよっ!」 「それよりそのグロテスクなシロモノをリクエストした真意を聞きたいぞ」 「やだやだやだっ!変な言葉教えてるしっ」 「俺が教えたワケじゃない! ――逃げてるな?」 「ベッドの下の本で覚えたニャ。シャイだから教えてくれないのニャ」 「ベッドの下…へー、へー?ふぅーん?」 「ごほっ…げほげほげほっ」 「メカさんは賢いのでインターネットで調べた。例えば先端も回る」 「そこで回すなー!」 「む?不評だな? ではバイブレーションしてみよう。5段階ある」 「やめてよーっ!もぉやだーっ!」 「お前は何を所望したんだ!?あー!?」 「機械の味よりトロの舌の方がきっといいニャ?」 「舐めさせてはいないだろうが!」 「知らないフリして判ってるし、この猫っ!」 「思うのだが」 「ん?」 「人々が注目しているのはメカさんが超高性能ロボットだからだろうか?」 「……。いやあああああっ!」 「その削岩機の動きはやめろーっ!」 「楽しそうニャ」 「む。削岩機?メカさんはそんな単純なメカではないから安心しろ、 腰部ショックアブソーバーは1879年のちちびんたリカちゃん理論を元にしている。 だからもっと激しいのも可能だ」 「そのまんま壊れて…お願いだから……」 「他人のフリをしていいか?」
|