目覚め
Written by : ひさと
◆◆◆ #1 ◆◆◆
…… [1] Telephon …… 



 深夜のチャットルームは、私自身が好きなこともあるのだが、毎度の事ながら猥談で盛り上がる。特にその晩は(自己申告だが)女性の参加者が多く、チャットルームの主催者の私は女性同士の猥談を眺めながら股間を固くしていた。今夜はこれをネタにオナニーしようかと考えていた時、電報(そのレンタルチャットルームでは、他の人に知られないように特定の誰かにメッセージを送ることができ、「電報」と呼ばれていた)が届いた。30分ほど前に入室してきたCandyと名乗る女性からだった。

−−No.7 Candyさんからの電報が届きました−−
突然すみません

何か個人的に話したいことがあるのだろうか。私はすぐに返信した

==No.7 Candyさんに電報を送ります==
どうなさいました?

−−なんだか表の話についていけなくて(笑)
==あははは(^^;) なんだか今日は過激ですものね。あまり過激なHな話は苦手ですか?
−−うーん、そう言うわけではないんですけれど、なんだかゆっくりとお話がしたくて
==何かお話になりたいことがあるんですか?
−−えーっと、、、 これって他の人には絶対見えないんですよね?
==見えませんよ。安心して何でもお話くださいませ♪
−−実は・・・

暫くの間

−−恥ずかしいんですけれど、さっきから疼いてしまって仕方がないんです
==おや。Hな話を眺めていたらしたくなっちゃいました?
−−ええ・・・・・・・

明らかに誘いだとはいえない微妙な言い回しである。多分少し押せば、テレフォンセックスに持ち込めるだろうが、チャット上でオナニーをするのを見て欲しいという場合もある。女性の側がどういう考えなのかを探らないと、美味しい思いをみすみす逃すことにもなりかねない(今までに何度もあった)。少し慎重に相手の出方を探ることにした。

==どんなことがしてみたいんですか? いつものオナニーだったら、それこそいつもしているものですよね。何か変わったことや思いっきりHなこととかしてみたいですか?
−−ええ・・・ でも何をしたらいいのかわからないし、チャットでひとりでしていてもタイピングができませんよね。だからどうしたらいいのかわからなくて
==しているところを、見られたい、というか、しているという事を知って欲しいんですね?
−−そうです。でも皆に知られるのは恥ずかしいので、ひさとさんだけにHな自分をさらしてみようかなと思って・・・

ビンゴ。

==電話でしたことある? いわゆるテレフォンセックス。
−−いえ、ないです。どうしたらいいんですか?
==私の携帯に電話してみて。で、私がHな事を言うから、思いっきり気分を盛り上げてオナニーをするの。
−−その間ひさとさんはどうするんですか?
==Candyさんがお望みならばいっしょにオナニーしますよ
−−私としてくださるんですか?
==お望みならば♪
−−・・・・・・

−−お願いします。電話番号教えていただけますか?

すぐに非通知の電話がかかってきた。ヘッドセットを耳に装着し、着信ボタンを押す。
「あ、もしもし・・・ひさとさんですか? Candyです」
「こんばんわ。こんな声の男ですけれど、こんな声で燃えられます?」
「・・・好きなタイプの声かも、、、 私こそ、女の子っぽくない声ですけれど、かまわないですか? こんな声で、その、できますか?」

Candyの声は確かに低い声だった。が、もしかしたら興奮でいつもの声の調子ではないのかもしれない。私はあえてストレートに彼女を揺さぶることにした。

「少し声が上ずってるんじゃない? ものすごくドキドキしてるんでしょう」
「ええ・・・ どうしてわかるんですか?」

半オクターブほど声があがった。雑音の多い携帯電話の声だが、微妙な違いがわかる。彼女がはっきりと興奮していると自信をもった私は、手続きなしに彼女にオナニーを強制させる事にし、自分自身もズボンとトランクスを脱ぎ、やわらかく勃起しつつあるペニスに手を添えた。ヘッドセットをしているので両手がフリーである。

「電話越しにCandyさんのいやらしい姿が見えるよ・・・ ほら、もうすごく濡れてるんじゃないの・・・?」
「・・・わかりません、濡れているかどうかなんて・・・」
「自分じゃわからない? じゃあ触って確かめてごらん。きっとすごく濡れてるよ」
「・・・・・・あっ(小さな声が漏れる)、、、下着の上からわかるぐらい濡れています・・・」
「そうでしょ。もうクリトリスもかちかちに固くなってるんじゃないの?」
「そんなのわからないです・・・」
「じゃあ、下着の上からでいいから、触って確かめてごらん」
「・・・・・・すごい、大きくなってます、、、はぁぁぁっ・・・こんなに大きくなったの初めてかもしれません。すごく、ぷっくりと大きくなって・・・ああっ!」
「どうしたの? Hな声出して・・・ もうオナニーしてるの? オナニーしていいなんて言ってないでしょ? 手が勝手に動いちゃうの?」
「あああっ、、、 そう、そう、勝手に動くんです。いつもよりすごく感じるんです、はぁぁ、はぁぁ、ああっ・・・ 私、私、ああっ」

Candyの低い悶え声が私の本能にストレートに突き刺さる。ペニスが完全に勃起する。

「いやらしい・・・ すごくHだよCandy、そんなにHな姿を初対面の男の前にさらしてるんだよ、すごくいやらしい、普段からこんななんでしょ、普段からいやらしい所を男の前で見せちゃってるんでしょ」
「あはぁぁぁぁぁっ、いや、いや、そんなことないです。・・・ああっ。人前でするのって初めてだから、いや、いや、いやっ」
「いやなの? いやならやめちゃおうか? 電話切っちゃおうか?」
「(甲高く)いやぁぁぁぁぁっ。お願いです、やめないで。何でもします、何でもします。やめないで、あぁぁぁぁっ」
「何でもするんだな・・・ よし、下着を取りなさい」
「えっ・・・・・・ はい、少し待っていてください、、、」

携帯電話を置く音、がさがさという衣擦れの音。ペニスを握る手に力がこもる。

「脱ぎました・・・」
「普段のオナニーは横になってするの?」
「はい・・・仰向けに寝てする事が多いです」
「じゃあ、いつものポーズをとりなさい」
「はい・・・ 横になりました」
「直接クリトリスに指をあてなさい」
「・・・・・・はぁぁぁっ」
「クリトリスどうなってる? いやらしく勃起してる?」
「はい、はい、固くて、中身が出ています、直接触ると、はぁぁぁぁっ、気持ちが、ああっ、気持ちいいです、こんなの初めてです、こんなオナニー初めてです・・・」
「オナニーじゃないよ、セックスしてるんだよ、たった何分か前に会ったばかりの男と狂ったようにセックスしているんだよ」
「あぁぁぁぁぁっ!」

セックス、という言葉にCandyは異様に反応した。

「気持ちいいの? セックス気持ちいいの?」
「気持ちいいです、ああぁっ、セックス、セックス気持ちいいっ・・・!」
「どこが気持ちいいの? ちゃんと言いなさい」
「クリトリスが、クリトリスが気持ちいいです、ああっ・・」
「クリトリスだけなの? もっと気持ちいい所があるんじゃないの?」
「えっ、、、あぁぁ、、、あっ、あの、あっはぁぁっ、もっと、って・・・あはぁっ」
「中に指をいれてごらん」
「えっ・・・ オナニーでそんなことしたことない・・・」
「セックスの経験はあるんでしょ?」
「あります・・・ ええ、やってみます。痛かったらやめてもいいですか?」
「いいよ、指1本から、ゆっくり中にいれてごらん・・・」
「・・・・・・・・(突然)きゃぁぁぁっ」
「どうした? 痛い?」
「あはぁぁぁぁぁっ、いえ、いえ、気持ちいい、ああぁぁぁぁぁっ、中、中に、すごく、あはははははぁぁぁっっっ、、、、、、」
「気持ちいいのか? いいぞ、気持ちいいところをぐりぐりしてみな」
「・・・・・・・・・・・・(荒い息だけが聞こえる)」
「Candy? どうした?」
「ごめんなさい、突然いっちゃいました・・・」
「・・・そう。気持ちよかったんだ」

私のペニスはまだ固く勃起したままである。

「ええ、中にすごく気持ちいい所があって・・・ もしかしてGスポットなのかな」
「かもね。今までそこは知らなかったの?」
「初めてです。目の前が真っ白くなるぐらい気持ちよくて・・・ ごめんなさい突然」
「いや、いいんだよ。女の子が絶頂してくれるのが楽しくてこんなことしてるんだし」
「・・・でも、ひさとさん、まだいってないですよね?」
「・・・あぁ、いや、それはいいよ。気にしないで」
「嫌です。私だけってわけにはいきません・・・ それとも私の声ではいけませんか?」
「そんなことないよ。すごくかちかちになってるよ」
「本当ですか・・・? ・・・うん、もう一度、今度はひさとさんのためにします。でも中は勘弁してもらえますか? ひさとさんより先にまたいっちゃいそうで・・・」
「ありがと。お願いしちゃおうかな」
「えっと・・・ 指示をしていただけますか? ひさとさんに操られないと何もできなくなっちゃったみたいで・・・」
「よし・・・ クリトリスはまだ大きくなったまま?」
「クリトリスですか・・・・ ああっ、、、、 ええ、固く大きくなって、はあぁぁっ、まだそのままです・・・あぁぁ、あぁぁ、気持ちいい・・・」
「溢れている液をいっぱい指につけて、そしてクリトリスを上から押さえつけるようにして、ぐりぐりってしてごらん、、、」
「・・・・・・あぁぁぁぁぁっ、はぁぁっ、あぁぁっ、いや、いや、気持ちいい、あぁぁぁっ、あ、ひさとさん、ひさとさん、あ、いや、いっちゃう、いっちゃう」
「もういっちゃうの? 今はじめたばかりなのに・・・」
「いや、いい、あぁぁっ、ひさとさん、ひさとさん、あぁぁぁ、いくっ・・・・・・」

暫くの間。

「ごめんなさい、何回もオナニーを続けてしたことってなくて、こんなになっちゃって・・・」
「続けなさい」
「・・・えっ?」
「続けてオナニーしなさい」
「・・・はい、、、、、、 はぁぁぁぁっ、、、、、」

もしかしたら、このCandyという女性は・・・

「あぁぁっ、いや、ひさとさん、サイコいきます、あぁ、あぁ、あぁ・・・」
「気持ちいいのか? 気持ちよかったらちゃんと気持ちいいって言いなさい」
「サイコが、サイコが、違う、あぁぁぁぁっ、いく、いきます」
「いきたいのか? もういっちゃうのか?」

初対面の女性の狂ったように絶頂を求める声を耳元で聞かせられ、私のペニスの感覚が一段階上がった。急激に快感が高まる。射精間もない状態になった。

「あぁぁぁっ、ひさとさん、いっても、いってもいいですか・・・あぁぁぁっ」
「いいよ、いきなさい、いきなさい、おまんこ気持ちいいって叫んでいきなさい!」
「あぁぁぁぁ、おまんこが、おまんこが気持ちいいっ、、、きゃぁぁぁぁぁっ・・・!」
「・・・ どうした? やめていいなんて言ってないぞ、続けなさい」
「えっ・・・・ はい、続けさせていただきます・・・・・ あはぁぁぁぁぁっ!」

射精が近い。右手の動きが速くなった。亀頭が膨れるのが自分でもわかる。Candyの絶頂にあわせて射精したい。おそらく、すぐに。

「あぁぁぁぁ、あぁぁぁぁ、サイコ変、変、だめ、あぁぁぁぁっ、もういっちゃう、いく、いく、あぁぁぁぁぁぁぁっ・・・ ひさとさん! ひさとさん! いってもいいですか? いっても、あぁぁぁぁっ、いってもいいですか!」
「どこがいくんだ? ちゃんと言いながらいきなさい!」
「おまんこがいく! あぁぁぁっ、サイコのおまんこがいっちゃ、あぁぁぁぁっ、いっくうぅぅぅ・・・・ あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

最後の叫びでCandyは絶頂したようだった。その声と同時に私もおびただしい量の精液を熱く脈打つペニスの先端から射出した。精液が亀頭の先端を通り抜ける瞬間、精液の勢いと同じぐらい激しく、ペニスから脊髄を通って脳(の多分中心)まで突き刺すような絶頂感に視界を白く塗り潰された。体が大きく反った。無意識のうちに甲高い絶頂の声が出たようだったが、自分でも良くわからない。ペニスの根本は規則的な収縮をいつもより長い間繰り返し、収縮するたびに残存する精液がペニスの先端から溢れ出し、生暖かい感触が腹の上で流れていた。いつもはすぐに拭き取るのだが、全身の感覚が麻痺していて動けない。

恐らく、互いに、放心状態のままで数分が過ぎた。

「・・・ひさとさん?」
「ありがとう、すごく気持ちよかった・・・」
「本当ですか? よかった。いってもらえて・・・」
「ちょっと腰が砕けてる。起き上がれない・・・ 意識もちょっと朦朧としてるかも」
「私もついさっきまで自分がどうなっているのかわからなかったです・・・ すごい溢れてる、シーツがびしょびしょ・・・ 取り替えなきゃ」
「どうする? 電話は切ろうか?」
「そうですね。まだチャットは続けます?」
「うん、朝まで続けるつもり・・・だけどどうかな、体力消耗しちゃったな、続けられるかな(笑)」
「私も接続しっぱなしなので、シーツ替えたらチャットに復帰します」
「OK、じゃあ取り敢えず。どうもありがとう」
「私のほうこそ私のわがままにお付き合いいただいて、、、ありがとうございました」
「こちらこそ。楽しく気持ちいい時間をありがと。じゃあチャットで」
「はい、復帰しまーす」

電話が始まってから1時間近くたっていた。絶頂後の強烈な眠気に何とか意志の力で勝ち、チャットに復帰した。私がON寝(接続したまま寝てしまうこと)していると勘違いしていた入室者の面々からの電報で画面は溢れていた。すいません寝てました、と発言すると、「オナニーは気持ちよかったですか(笑)」と発言する女性がいて返答に困った。ごまかすように発言を続けたが、Candyは電話の最中に自動的に回線が切られたらしく、その日は復帰しなかった。

 翌朝、Candyからメールが届いていた。

「・・・昨夕はありがとうございました。もっといろいろとお話したいことがあったんですけれど、気がついたら朝になってました(笑)。今夜もチャットルームは開きますか? もし開くのでしたらお邪魔させてください。で、もし開かないのでしたら、メールでお話をさせていただきたいんですけれど、よろしいでしょうか? よろしかったら携帯のメールに空のメールを送ってください。私からのメールを送信したら、その旨ひさとさんの携帯にメールします・・・」

チャットルームは開くつもりでいたのだが、チャットの最中はかなり忙しくなるため、記されていた携帯のアドレスに「チャットルームは開けるつもりですけれど、お話はメールでしませんか?」と送信した。了解する旨のメールはすぐに届き、17時過ぎ、仕事から帰宅した頃に「メール送信しました。よろしかったらすぐに読んでください♪」とのメールが届いた。

コンピュータを起動し、メールをチェックした。差出人に「Saiko Yanagawa」と書かれたメールがあった。どうやら本名のままで送ってきたらしい。

「・・・Candyこと彩子です。さいこ、と読みます。夕べ多分いきなり自分の名前を叫んだと思うんですが(笑) 突然サイコって言われてもびっくりしますよね。すみませんでした。

 突然ですけど、私って、本当にHな女の子なんだなぁって思うんです。

 ネットをはじめたのも、普段はHな話とか周りの人にはできないですけど、ネットの上だったら人に知られずにそういうHなサイトに行ったりHなチャットを楽しんだりとかできますよね。男性でエロのためにネットをはじめる人は多いみたいですけれど、女性でこう言うのは珍しいのかな、なんて思ってます(けどひさとさんのチャットルームはなんだか女性が多くて、私だけじゃないんだななんて安心したりします)。

 私は25歳です。未婚です。セックスの相手はかなり長い間いません。2年ぐらい・・・かな。見た目がきつく見えるらしく、なかなか男性に声をかけてもらえません。痴漢もされません(他の女性はわかりませんけれど私はもし触ってもらえたら無条件で身体を開くぐらいの準備はできているつもりなんですけれど・・・ 誰も触ってくれないんですよ。)なので、普段はもっぱらオナニーです。オナニーは小学校の低学年、多分2年生ぐらいの頃からはっきり意識してするようになりました。もうその頃からイクってことがわかってました。早熟でした(笑)。
 オナニーがそう言うHな事なんだと知ったのは小学校5年生の時です。その時、私ってなんていやらしい女なんだろうって自覚しました。その自覚は今でも続いてて、オナニーやセックスをしながら、私ってなんていやらしい女なんだろうって考えます。そう言う自分にまた興奮しちゃったりするんですね。

 今まではオナニーは週2回ぐらいでしたけれど、実はこのメールを書くまでに2回、書きながら今までにもう3回オナニーしています。昨日の余韻がまだ取れません。テレフォンセックスは初めてだったんですが、病み付きになってしまったかもしれません。それよりなにより、クリトリスが勃起したまま戻らないんです。今もぷっくりと膨れています。下着の線にちょうど当たったりするとそれだけで濡れてしまって困っています。さっき下着を履き替えて、吸水シートを貼り付けました。そうしないと下着が濡れて張り付いて、また興奮してしまってまた濡らして・・・の循環(悪循環、とは書きません)なので。

 すみません今オナニーしてしまいました。

 前までは1回のオナニーで1回イッたら満足していたんですが、クリトリスがいつも勃起しているような状態なのでずっと感じっぱなしです。自分で自分の事をいやらしい女だと思って(自覚して)はいたんですが、自分の中にこんなにHな自分がいたということには気づきませんでした。実は私はセックスでイッた事がありません。性欲が強すぎるせいか、それともオナニーで強い刺激に慣れてしまっているからか、どちらかと言うと私より相手の男性が絶頂するのを確認して満足する傾向があるからか、そのあたりはわかりません。で、セックスでイかないことがわかると、男性は自然と離れていってしまいます。これが寂しいのです。他にも私にはいろんな原因があって男性をひきつけないのかもしれませんが、なんだか長続きせず、セックスの満足を知らないまま現在に至ります。

 すみません回りくどい言い方をしました。
 ストレートに、言います。

 私を抱いていただけませんか?

 言い訳じみた事をたくさん書きましたが、正直、私はひさとさんに愛情を持ってしまったかもしれません。愛情。。。うーん、ちょっと重いですね。なんと言うのかな、やっぱり正直に性欲って言った方がストレートでしょうか。とてもとてもセックスがしたいんです。でも私は関東に住んでいません。チャットの人って関東の人が多いですよね。ひさとさんはどちらにお住まいですか? 私は長崎に住んでいます。もし長崎においでになったことがないなら是非おいでください。ガイドブックには載っていないいろんなところにご案内しますよ(笑)
 なんだか勝手なことばかり書いてすみません。こんなメール返事しにくいかもしれませんけど、ひさとさんと個人的にこうやってやりとりができて私は単純に嬉しいです。お嫌いでなかったらメールいただけたら嬉しいです。で、また、都合が合えば、電話でしていただけますか?・・・・・・ いいお返事をちょっと期待して。
                            Candy こと 柳川 彩子」

当時私も長崎に住んでいた。市内ではなく、長崎市と佐世保市のほぼ中間、長崎空港の近くだった。が、長崎までは車で1時間ほどで着く。少し考えて、携帯電話のメールでCandyに返事をした。

「信じられないかもしれませんが、私は長崎に住んでいます。空港の近く、大村市です。長崎市内までは車で1時間ぐらいですね。本当に会えそうですが(笑)どうしましょう?」
ネットで知り合った女性の場合、関係を断ち切られたくないばかりに、本当は会う気がないにもかかわらず会おう会おうと連呼する場合が少なからずある。Candyも、長崎に住んでいる事を明かすことで、会いたくても距離があるという事を仄めかし、程のいいテレフォンセックスの相手をキープしておきたいと考えている可能性もある。果たしてどのような返事がくるか、緊張しながら待った。

5分もせず、携帯にメールが届いた。

「突然ですけど、本日お時間ありますか? よろしかったら会っていただけませんか?」

すぐに了解の返答をした。これから飛ばせば19時には市内に入れる。

なにか、新しいことが急に始まったような、言い表わせない高揚感を感じていた。



[ 2002.07.07 初出 ]




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