■ どこでもいっしょ 3 沢村様 |
●沢村版「どこでもいっしょ」 - 4 |
「メカさんは色々モノを知ってたニャ。まる」 「日記なんて書くのか」 「の…覗くならこっそりがいいニャ……」 「そこ、目を潤ませるな」 「そこ?まだ潤ませてなかったニャ!がーん!」 「唾を塗るな唾をっ!」 「痛いのはイヤなんだニャ…ちょ…ちょっとアダルトな趣味なのかニャ? トロ…我慢してもいいニャ……」 「今日一日で変な事を随分と憶えてきたな、まったく」 「メカさんと名刺交換もしたニャ」 「名刺?」 「業界用語ニャ。――聞いていいかニャ? キスってエッチ?」 「ぶっ……いきなりだな…」 「メカさんはエッチだと知ってたニャ。じーんとしちゃうらしいニャ」 「……。ほー…そーかそーか」 「キスした事、あるニャ?」 「適当に、まぁ、それなりに」 「人間になったらトロにもして欲しいニャ…☆ でも人間じゃなくっても出来るニャ。 メカさんも出来るニャ」 「……。何ぃ?」 「?」 「メカさんはキスが上手ニャ。1738年に発見された何とかって法則で何かするらしいニャ」 「あの馬鹿、何に事欠いてるんだ…まったく……」 「トロはキスは酢豚マンに似てると思うニャ…どきどきするニャ」 「俺は酢豚マンでどきどきはしないがな」 「キスしたいニャ」 「すまんな、今夜は鍋だったんだ」 「コンニャク美味しかったかニャ?」 「何故にコンニャクが?」 「ベッドの下に密閉保存されてたニャ。コンニャクが好きニャ」 「あ…あれは違う!捨てそびれただけだ!」 「コンニャクは食べ物ニャ」 「あー…。あれは違う。使いかけだ」 「何に使うニャ?一人で使うモノかニャ?」 「ノーコメント」 「淋しいニャ…悲しいニャ……」 「お…おい……」 「淋しいから自慰するニャ」 「どこで憶えたその単語ー!」 |
●沢村版「どこでもいっしょ」 - 5 |
「――あ…、まだ、起きてる?」 《起きてる。まだ22時だぞ?寝てたまるか》 「そっか……」 《ん? どうした》 「え、いや…、何となく。あ、明日の宿題、した?」 《それが用件か?ん?》 「……。いや、そーだけど…違うけど……」 《ふ…ん。――そーいえば、お前キスが好きなんだって?》 「え……!?」 《猫がポンコツから聞いた。じーんとするって?》 「そ……そんなの嘘、バグよバグ!」 《そーかそーか。キスが嫌いとは知らなかった》 「ヘタなキスなんて大っ嫌いなんだからっ」 《あー、我ながら巧いのも困ったもんだ》 「嫌いきらいっ!うぬぼれないでよっ!」 《上手なキスなら嫌じゃないんだろ?》 「あ…あなたなんてねぇっ!」 「むにゅむにゅむにゅ」 【ガリガリガリガリ】 「え?」 《何だ?今、酷いノイズが……》 「メカさんは超高性能なのだむにゃ……」 【ザリザリザリザリザリザリザリザリ】 「やだ、聞こえない、いきなり何で?」 「むーんむーん…アインシュタインがメカさんを笑ってる……」 【バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ】 《酷い電波状態だな…。仕方ない電話切るぞ》 「え!?そんなぁ!せっかく……」 「メカさんは負けない…負けないのだ、改造してやる……」 【ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ…プツッ】 「……。何でぇ……?どーしてぇー!?」 「メカさんは世界最高のロボット…むむむ……」 「もしかして、このイビキのせい!? ――せっかくだったのに…馬鹿ぁ!」 「もふっ。メカさんは羽枕なんかに負けない……zzz」
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