■ どこでもいっしょ 4 沢村様 |
●沢村版「どこでもいっしょ」 - 5.1 『コンニャクもいっしょ』 |
「食べないならどうして捨てないニャ?」 「こんな巨大なのを三角コーナーに放りこんだら一撃でお袋に見つかるだろ」 「まずいニャ?」 「翌日味噌田楽が出たら俺は食う気になれない」 「どうしてニャ?」 「少し接触したからだ」 「? トロもお魚屋さんでお魚に触ると怒られるニャ」 「それに似ている」 「ひどいニャひどいニャ。人間はお料理する時にお魚を触るニャ。差別ニャ」 「そこはかとなく違うと思うが……」 「でもトロ達は同じニャ☆ 触るともうお料理されなくなるニャ…これはもう運命にゃ☆」 「いきなり元気になったな」 「だからお元気になって欲しいニャ」 「だから俺のスウェットを引きおろそうとするんじゃない!」 |
●沢村版「どこでもいっしょ」 - 6 |
「なっさけなーい、猫に布団奪われて風邪ですって?」 「その前はお前がうつしたんだったよな…げほっ、雌運が悪い」 「雌ってやめてよ雌って」 「トロは女の子ニャ」 「雌と言うのは生物学上の区分であって受精を行える側を……」 「機械は黙ってらっしゃい」 「受精って何ニャ?」 「ああっ、そこで何で病人のパジャマの裾を引っ張るのよ! そんな事をするから風邪ひかせたんでしょー!?」 「トロはずーっとつきっきりで看病しているニャ……」 「コンニャク冷凍してアイスノンにして看病とか言わないでよねっ」 「似ているではないか」 「情緒の問題よっ」 「サイズがそっくりだったニャ」 「俺としてはとても複雑な気分だった…げほっ… 病人の枕元でキャンキャン騒ぐな……」 「だいたい何で病人の食事がかきごおりなのよ、変だと思わないの」 「かきごおりは初恋の味がするニャ」 「何がどう初恋ですって?インプリンティングされてるだけじゃないの」 「インプリンティングって何ニャ?」 「擦りこみ効果である。最初に見たものを親と認識するとメカさんは知っている」 「近親相姦みたいニャ…☆ でもトロは身も心も捧げる覚悟があるニャ☆」 「人間様とはろうとはいい根性してるじゃないの猫の分際でっ」 「げほっ…、をい……」 「人間になったらトロの処女は捧げる予定ニャ。でもこのまんまでもOKニャ」 「私だってあげたもん!」 「げほっ!げほげほげほげほっ……ごふっ」 「甘いニャ、トロは一つ屋根の下同衾しているから本妻ニャ。本妻は最強ニャ」 「いつから猫が戸籍を取得出来る様になったってゆーのよぉっ!」 「メカさんはハッキングが出来る」 「やったら即スクラップ工場にたたっこんでやるからねっ!」 「どんなに悔しがってもトロはずっと一緒ニャ。誰も勝てないニャ」 「学校休めば平気だもん!」 「をい……げほっげほげほ……」 「メカさんは何故か流れに乗り損ねている……」 「だいたい、この素麺は何よぉ、この寒い季節に冷たいモノしかないじゃない」 「トロは猫舌ニャ。夫婦は一心同体だから同じモノを食べるニャ」 「随分と思いあがってくれるじゃないの…、ふっふーんだ!いい? 風邪ひいてる時はいつも卵酒を欲しがるの知ってるんだもんねーっ」 「メカさんはワカメ酒なら知っている」 「がーん! と…トロに内緒にされてたニャ…悲しいニャ……」 「え……、や、やだ、そんな泣きださなくても……」 「悲しいから沿い寝して寝るニャ」 「そのベッドに潜らないでよっ!……って、やだ、すごく苦しそうじゃない」 「体温が急激に上昇したのはメカさんが換気をし始めた10分後からである」 「そーいえば急に寒くなったよーな…って何やってるのよぉ!」 「病室の換気は大切だとメカさんは知っている」 「汗がひどいから着替えをさせてあげるニャ」 「何であンたはそこで下半身から剥こーとするのよっ!」 「……け」 「トロは知ってるニャ、最近毎朝ここの体温が一番高いニャ」 「させてあげるチャンスを最近ことごとく潰されてるんだから仕方ないぢゃないのっ」 「メカさんは知っている、熱が高すぎると機能しなくなるのだ」 「えー!?そんなの駄目ーっ!」 「お……お前ら……全員…、即刻に……出てけー!!」
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