■ どこでもいっしょ 5
沢村様
●沢村版「どこでもいっしょ」番外編 - バレンタイン

「……。お兄ちゃん、このすっごい散らかった台所わ?」
「俺の犯行じゃない!俺とは違う!」
「ふぅーん…?」
「その目は何だその目は!」
「まぁ…男が2月を間近にしてチョコを格闘してるなんて見苦しくって涙が
 出そうだけどね……」
「だから俺の犯行でないと何度言えば判るんだ!」
「トロの犯行にゃ」
「なんだ…ってお前自分だけ風呂に入ってさっぱりする前に掃除をしろ!」
「あンただったのー!?」
「馬鹿出るな! ――いや、OKだ」
「……。いらっしゃい、ウチの勝手口、床下収納にはなかったと思うけど……
 で、お兄ちゃん何でいきなり安心してるの?」
「お邪魔してます」
「セーター、裏表逆ですよ」
「え、ええっ!?」
「冗談です」
「風呂あがりは牛乳が一番にゃ」
「なごむなー!」
「世の中はバレンタインだから、トロは全身チョコのチョコレートプレイをしたかったにゃ。
 でも鼻と耳にチョコが詰まったから断念したにゃ」
「猫並って事か」
「そこまで馬鹿じゃないわよ!」
「だから、チョコバナナを作ったにゃ」
「きゃー!」
「やーね…お兄ちゃん何教えてるの?」
「お前が拾ってきて押しつけたんだろうが! ――しかし、そのチョコの形は意図的かー!?」
「似せるのに苦労したにゃ。最初、チョコに漬けて固まったらちょうど頭に変に
 溜まって固まったにゃ。だから頑張って似せたにゃ」
「大変だったでしょ、そこまでバナナにコーティングするの」
「お兄ーちゃん…こんなおっきいの?」
「まじまじとソレを見るなお前達!」
「使いたくなったけど我慢したにゃ」
「何に使うつもりだ、何に!」
「でも反り返りが足りないにゃ…悲しいにゃ」
「す、筋まで作るかこの猫は…頬ずりするんじゃない!」
「色使いの絶妙さが……」
「ホワイトチョコとミルクチョコを混ぜたにゃ」
「俺のはこんな汚くない!」
「そーよ!もっとちゃんとした色よ!」
「……。不潔」


「どこでもいっしょ」な大騒動

とうとう彼氏の妹まで登場しちゃいましたね〜(笑) 
ちなみにこれの原題は「援助番外編−4・バレンタインその2」で、その1は例のごとく沢村様の裏掲示板に掲載されました。
沢村様の掲示板にいらっしゃってない方のためにその1のネタばらし(^^;)
援助な彼女がバレンタインということで、彼氏の家の台所で胸にハート型にチョコを塗ってスタンバイして待っています。でも、彼氏が帰って来るころにはそれが溶けちゃって「セーターが汚れちゃった〜」と大騒ぎするわけです。
んで、彼氏が、「なにやってるんだ」と呆れつつも、「じゃあ舐めてハート型に直してやる」ってことで甘々なシーンに突入します。……が、いいところで妹がかえってきてしまい、彼氏はあわてて胸丸出しの彼女をテーブルの下に隠して、その2の冒頭の台詞となるわけです。
彼氏がテーブルの下から顔を出した彼女に慌てたのはそういう理由だったのでした。