■ ふぇろ〜しっぷ in the Room 沢村様 |
Scene - 08 |
目の前で繰り広げられる淫らな行為に、瑞穂は声もないまま落ち着こうと呼吸を繰り返す。――しかしいくら落ち着こうとしても、次々に送り込まれる情報は少女を追い詰めていく。 「ほら見られてるよ、綾香さん」 綾香に対して囁かれた筈の小さな声が自分の耳にもはっきりと届き、瑞穂は身体を強ばらせる。どこを見ているのか判らなかった綾香の潤んだ瞳が緩慢な動きで瑞穂達へと向けられる…ほつれた明るい茶色の髪がかかり、さらりとこぼれて落ちていく柔らかそうな頬は上気して艶めかしく染まっていた。 「――いやらしいね。見られているのを感じた途端に、きゅっと締めつけてくる」 「神くん……っ、だめ…見られてるのに……あっ……だめ…あ……あうんっ」 びくりと跳ね上がった綾香の身体に、一瞬だけ遅れて瑞穂の身体が跳ねる。 ひっきりなしに沸き立つ粘液の撹拌される音は徐々に激しさを増し、武藤の指のストロークを目にせずとも判る程だった。見聞きしてはいけないと判っているというのに、背筋を這いのぼる妖しい感覚に膝をぴったりと合わせる瑞穂の唇が水音のたびにかすかに震え、胸の奥に溜まっていた熱い息を漏らす。 「見られるの嫌? 俺は好きだけどね…いやらしい綾香さんの身体。凄く恥ずかしいくせにとろとろになってるの、どんな感じに見えるのかな」 「いやぁ…神くん……はずかしいの……ぁん…っ……音たてちゃ…だめぇ……っ」 「無理だよ。――こんなにびちょびちょになっているのは綾香さんだよ」 「じんくぅ……んっ!はぁ……あああん」 ぐちゅりと一際大きく響いた潤滑液の音に嬌声が重なった途端、武藤の口が綾香の唇を背後から搦め取りながら塞いだ。 唇を塞がれた為に背後へと首を巡らせた綾香からようやく視線が逸らされた瑞穂は、全身から力を抜く。――洋画などのキスシーンなどならば何度か気恥ずかしくも見ている為、緊張せずに済む…しかしそんな安堵を早くも覆す様に、綾香の脚をその両脇に降ろさせている武藤の脚が左右へと、それも瑞穂達に正面を向けようとしているかの形で開かれていった。 「……」 解けかけたバスタオルを巻いているものの愛撫によじった身に、その合わせはほとんどはだけて可愛らしいへその辺りを頂点としたテント状に開かれていた。シャワーを浴びなおす時間などなかった下腹部を隠す武藤の手は、ただ単に視線を遮るのではなくその中指と薬指を急角度に内側へと曲げて谷間の更に奥へと吸い込まれている。手首から先を使用する抽送のたびに露出する2本の指に絡みついている粘液が、日焼けの抜けきらない指をぬらぬらとコーティングしていた。 自分達へと向けられた淫らな光景に身を縮こまらせる瑞穂の身体が眼前の光景と異なるタイミングと別に跳ねる。――Yシャツの上から胸をそっと掬い上げる山崎の手の感触に。 |