■ ふぇろ〜しっぷ in the Room
沢村様
Scene - 09

 膝の上でびくりと身を震わせる瑞穂の胸を、山崎はゆっくりと掬い上げる。
 その身に纏っているものは自分のYシャツであるものの、着ている者の違いでここまで変わるのだろうかと思える程にその感触は柔らかい。広げた指から掌までの全体にかかる熟れかけた果実の弾力と重みを布一枚の上から味わいながら、山崎はYシャツを突き上げて軽く皺を作っている胸の先端の周りを中指の腹でそっと掻く。
「――ゃ……、兄さん…人が…いるのに……」
「人がいるから?」
 一度軽く手を上下させて、わずかに遅れて手に馴染む様に揺さぶられる胸の感触に息を吐き、山崎は瑞穂のしなやかな黒髪に顔を埋める。昨夜遊び半分で洗っているものの、山崎家ではいままで誰も使っていなかった銘柄のシャンプーの匂いは簡単に馴れるものではない。
「変な事を…しちゃ……駄目だと…思うの……」
 気恥ずかしげに耳まで真っ赤に染まりながら俯こうとする瑞穂の細い頤を、部屋に居るもう一方の方へと空いていた指で固定し、山崎の指は再度胸の先端の周りに焦らす様に円を描く。鼻先で掻き分けた髪のすき間からこぼれた髪の生え際に軽く唇を這わせ、舌で軽く舐めあげた山崎は、ちらりと瑞穂の視線の先を見た。
 壁に背を預けていたものの、徐々に床へとずり落ちていってしまっている武藤と綾香は、自然とその下腹部をこちらに見せつける状態になっている。人差し指と薬指で左右に開き、先刻まで中に挿れていたせいでぬらぬらと潤滑液にまみれている中指が谷間の上にある突起を小刻みに刺激していた。
「神くん…じんくぅ…んっ……あんっ…あぁ……ちゃんと…ちゃんといじって……、ね…おねがい……」
「いじってあげてるよ。ほら」
「あああんっ!」
 親指と中指がすっかり膨らんでいる突起を抓りあげた瞬間、綾香の唇から堪え切れないのかはっきりと嬌声が漏れる。
「こら」
「すみません。――綾香さん…いつもより感じ過ぎ」山崎の注意に苦笑いを浮かべ、武藤が胸を弄んでいた指を綾香の唇に含ませた。
「もっと大人しくしないと、片手が塞がったままになるよ」
 捏ね続けている親指と中指はそのままに、そう言って武藤が綾香の口に加えられている中指をゆっくりと出し入れさせる。直前の刺激が強すぎたのかうっとりとした表情で惚けていた綾香の唇が、抽送される異物に本能的なものなのか艶めかしく窄まり、やがて下が指を舐りはじめるのが山崎の目にもはっきりと映った。
「……」
「あれに比べれば、大人しいモノだろう?」
 瑞穂のうなじの火照りを感じながら、山崎は軽く先端の突起を下から押し上げる。