■ ふぇろ〜しっぷ in the Room 沢村様 |
Scene - 13 |
かすかに、しかし確かにびくびくと跳ねている瑞穂の華奢な身体が腿から鼻先にかけてを細かく刺激する。吸い込んだ空気の、甘いシャンプーの香りにまぎれて漂う昂ぶった女の淫らなにおいが喉と鼻孔から欲望を促す。 綾香の従順な反応に山崎は軽く口元だけで笑う。性教育というよりもAVを観ている感覚と言った方が事実だろう。雌蘂と雄蘂の勉強をする様な年頃はとうの昔に過ぎてしまっている、しかし過去を遠いものの様に振り返る認識はまだ不慣れな子供である自覚の裏返しなのかもしれない。 「ゃ……、兄さん……ぁ……そんな…駄目……」 囁きにもならない様な小さな声を瑞穂が途切れとぎれに漏らす。 ――カップルの交わりを至近距離で見ても、AVを鑑賞している様な客観的な感覚なのは、何故だろう? もしも自室にAVビデオがあれば、確かに瑞穂を膝に乗せるなりベッドで共に横たわりながら鑑賞をしていたかもしれないが、残念ながら山崎はその類の無駄な浪費はしない性分だった。俗な言い方で『抜ける・抜けない』という極論で表現すると山崎はAVで抜ける人間ではない。 「瑞穂?」 ぴくりと跳ねる華奢な肩を撫でながら、山崎は意図的に問いかける様な声をかける。少女がどの様な状態なのかは判っている…だが本人があえてそれを隠そうとしているのならば、自分か相手が堪え切れなくなるまでは弄ぶに限るだろう。 「ちゃんと……触って……」 綾香の柔らかな、しかし切羽詰まりかけている震えた声が届いた瞬間、瑞穂のヒップが窄まり、スラックスの下腹部を柔らかに包む様に挟んだ。 「綾香さん、どこを触って欲しいの?」 「――神くん……、いじわる言わないで…、ね…、いつもみたいに……して」 単なるAV鑑賞と違うのは、膝の上に敏感に反応する少女の身体が乗っている事だろう。確かに鑑賞して少々硬さが増す程度はあるかもしれないが、瑞穂は目の前の光景に明らかに肉体的に反応している…男と女の感性の違いなのだろうか?山崎としては少女の生々しい反応がどこか不思議でならない。 下着をつけていない為に膝を合わせて武藤達から下腹部を隠そうとしている瑞穂の姿勢は、山崎としては逆に手を出しやすいものである。綾香のもどかしげな声を聞きながらしばし考えた山崎は、やがて手を少女の肩から太腿へと降ろしていった。 「に……兄さん…、いったい……なに…を……?」疑問の形をとった声に咎める響きはない。ブラジャーや下着といった障害もない布の上を指と掌を這わせ、やがて手はYシャツの裾を越えて白い腰へとたどり着く。「にぃ…さん……っ」 びくりと跳ねる瑞穂の肌は12月だというのにしっとりと汗ばんでいた。 ちらりと見た山崎は、武藤と綾香が熱に浮かされた目で自分達を見ている事に気づく。自分達の行為のみに溺れているのではなく、淫らな行為を見られている相手が同じステージに墜ちる事を望んでいる…そんな考えなのか、それとも眼前の悪戯が楽しいのか、それは山崎には判らなかった。 何度も小さく首を振る瑞穂のしなやかな黒髪が目の前で揺れる。講堂で大勢の人間が作業をしている物音と声を遠くに聞く息苦しい沈黙の中、二つの甘い声混じりの吐息が部屋に篭った。 「兄さん…いや……、いやぁ…こんな場所で……ぁ……ん…んっ…ぃや……いやあ……」 きめ細かい肌にゆっくりと馴染ませながら、山崎は手首を遣って円を描かせながら下へと左右から両手を進める。指先が腰の脇からヒップの下線を越え、足の付け根へと進む程に肌の質感は蕩けそうに柔らかさを増していく。 その指に、不意に粘液が絡みついた。 「――い…いやぁ……っ、兄さ…ん……だめ……駄目……っ!」 悲痛な哀訴の声と同時に、瑞穂の腰が山崎の腿の上ではっきりと跳ねた。 |