■ ふぇろ〜しっぷ in the Room 沢村様 |
Scene - 14 |
震えだしてしまう身体を堪えさせようとするものの、華奢な身体は青年の腿の上でびくびくと跳ね上がる。 「兄さん……にぃ…さん……、おねがい…ゆるして……ぃや…もう……そんな……」 ヒップの稜線をなぞる山崎の指に粘液が絡みつくのを感じ、瑞穂は肩で何度も浅い呼吸を繰り返した…しかし動悸と呼吸は落ち着くどころではなく、より一層忙しなさを増していく。 「自分でも判っているんだろう? ――涎でぬるぬるになってる」 夜毎の言葉と同じ響きの山崎の声に、瑞穂の唇から緩慢な吐息が漏れる。まだ昼時の学校で聞くとは予想もしていなかった淫らな声音は、しかし自分の情況を報告しているだけに過ぎなかった。背後で囁かれた言葉が目の前の恋人達の耳にまで届いてしまっているのは疑う余地がない。 太腿と下腹部の丘の間の肉付きの薄い谷間を青年の指がゆっくりと往復する。指が一撫でするごとに塗り広げられる粘液の感触に、意識して合わせている膝がわなないた。 「兄さ……ん…だめ…せいふく……」 「こちらも真似してバスタオルを敷かないと危ないな。でもこの体勢だと敷けない」 「……。――見ないで…いて……ください……」白いシーツならばまだしも制服のスラックスでは潤滑液の跡が目立つ事は確実であろう。自分の漏らした液体で幼なじみの異性を辱める事への抵抗に、瑞穂は耳まで赤くなって懇願した後、山崎の腿の両脇に膝をついた。 「お願い…見ないで……」 汗で感触の変わっているYシャツの裾を両手で引き下げた指が自分自身の下腹部の茂みを掠め、一瞬の交差だというのに指の節にねっとりと粘液が付いた感触に瑞穂はちいさな吐息を漏らす。 そっと浮かせた腰を山崎の方に突き出さない様にしたいものの、裾の長さの心細さに身体をまっすぐに起こす事が瑞穂には出来なかった。しかし裾を整えられないヒップが露出している感覚の心細さにその背筋は自然と伸ばされていく。 「室生…さん……」 不意に聞こえた綾香の声に、瑞穂はぴくりと身を震わせた。 「津田さん……ご…ごめ…ん……なさい」 元はと言えば自分が二人の情交を覗いてしまった事が始まりである。睦み事を妨げてしまった上に視線を逸らす非礼を続けてしまっている瑞穂は、綾香達に見ない様に頼める立場ではないのかもしれない。 「どうして謝るの……?」 「お邪魔…してしまって…その上に…こんな……変な……」 咎めている声音ではなく甘く蕩けた優しい声の綾香に、尚更瑞穂の中で罪悪感が増すた。妨げた上に見ずに重ねて昂ぶってしまう自分ほど卑怯でいやらしい人間はいまい…そんな自己嫌悪に瑞穂はYシャツの裾を強く握る。――汗に濡れたYシャツが素肌に貼りつき、武藤達に向かう形で突き出されてしまっている白磁を思わせる胸と鴇色の先端をすっかり浮かび上がらせている事に、キツく瞳を閉じた瑞穂は気づいていなかった。 「気にしないで…いいですよ。――どちらかと言えばこの状況を愉しみたいし」 「え……?」 武藤の言った言葉が理解出来ず、思わず視線を向けてしまった瑞穂の瞳に、先刻よりも更に近くにある綾香の肢体が映る。 二人の少女の視線が合った。 「ぁ……うぅ」 視線が合った瞬間、綾香の肢体がはっきりと武藤の腿の上で震え上がった。ふっくらとした胸の鮮やかな色を湛えた先端を親指と中指で小刻みに擦られているのは、いつからなのだろうか…丘の裾野を撫でる指に先刻の山崎の指遣いを思い出し、瑞穂はぶるっと身を震わせる。 「見られて感じる人間もいるって事だよ」 どこか楽しげな声でそう言いながら山崎がバスタオルを敷いたのは、今瑞穂が両脇を締めている膝から腰にかけての何故か広い範囲だった。山崎の膝と瑞穂の内腿の間に特に丁寧に押し込まれたパイル地に、少女は戸惑って振り向こうとする。 「にぃ……、――ひ……ぁ!」 バスタオルを敷きおわった指にそのまま内腿にたどりつつある粘液を掬う様に内腿を撫でられ、瑞穂の身体は跳ね上がった。 |