■ ふぇろ〜しっぷ in the Room 沢村様 |
Scene - 17 |
既に堪えきれないのだろう、哀願と呼ぶにはあまりにも甘く切ない響きの鳴き声に、山崎はちらりと武藤達の後ろにある照明用の窓を見る。舞台照明の部屋である為、舞台側の壁には大きな窓が作られている…しかも照明の妨げにならない為にそこには窓ガラスなどといった遮蔽物はなく、もしも瑞穂や綾香が大きな悲鳴をあげてしまえば階下にまだいるであろう人々の耳に届くのは確実だった。だが同時に階下の人々の有無や作業状況は耳をすませば山崎が聞き取れる事はありがたい。 第二関節近くまで挿れかけていた指を抜き、山崎は耳をすます。 寸前まで瑞穂の可愛らしい鳴き声とあからさまな潤滑液の水音が篭もっていた部屋に、すすり泣きまじりの瑞穂の乱れた呼吸の音だけが残っていた。――階下のざわめきに変化はなく、何かを動かしているであろう物音が変わらず響いているのを聞いて山崎は軽く息をつく。 「――すご……」 わずかにかすれた武藤の声を合図の様に、瑞穂の華奢な身体が山崎の太腿の上にふわりと崩れ落ちる。裸の胸板ですっかり汗に濡れている少女の背中を受け止めた山崎の腕の中で、刺激と羞恥に虚脱している瑞穂が浅く弱い呼吸を繰り返していた。 「でもまだ処女なんだな、これが」 「嘘」 「ホントの話」 「山崎さん……」 「不能じゃないぞ」 いつの間に役割が逆になったのか、目の前で見せつけられた卑猥な光景に毒気を抜かれた様子の武藤が瑞穂をまじまじと見る。よく考えるまでもなく視姦の様なものなのだが、見せつけてしまったのは自分自身である…守るべき少女の痴態を玩具の様に見せびらかしてしまった後味の悪さと、いつも以上の敏感さで反応して嗜虐心を煽る瑞穂の淫らな羞恥に、思わず山崎は苦笑いを浮かべた。 「だから性教育が必要になる」 「知りすぎてて後込みしている気がしなくもない様な…。ね、綾香さん」 「……」 「綾香さん?」 返事のない綾香をいぶかしむ武藤に、山崎は口元を歪める。自分にとって瑞穂の表情がほとんど判らなかった様に、武藤にとっても背中を向けられている綾香の様子はほとんど判っていなかったのであろう。――最初はときおり申し訳なさげに逸らす事のあった視線が徐々に同時に昂ぶり離れなくなり、今にも達しかねない淫らな表情で同性の少女の淫らな反応に同調していた綾香もまた軽い虚脱状態になっている事を。 『あちらも随分といやらしい子の様だな』 共に温厚そうな少女である所が山崎には可笑しいかった。 「あ…、神くん……」 「そんなに興奮したんだ」 しっとりと濡れた瞳で後ろに振り返った綾香に、武藤の顔が苦笑いに変わる。ニヒルそうにしているものの男同士として判る愛しくて仕方なさそうなその表情の微笑ましさに、山崎は口元に浮かびかけた笑みを堪えた。 「興奮なんて…してない……」 「凄く気持ちよさそうだったよね。ぐちゅぐちゅ音がたって、身体が何度も跳ねて…綾香さん、どんな事を考えてたの?」 山崎達に向かって大きく開かれた白い内腿に武藤の手が延ばされる。先刻弄ばれたのもあって開いているサーモンピンクの粘膜の周囲は瑞穂に劣らぬほど潤滑液が溢れ、ヒップの影が落ちているバスタオルの上にすら小さなぬめりの光沢が広がっていた。 「神……くん…っ…ああああんっ」 谷間をするりと滑った武藤の手に綾香の膝が跳ねる。綾香の胸の前でゆっくりと開いた手に絡みついたおびただしい粘液が、窓からの昼間の光の下、透明な太い糸を幾筋も伸ばしてスローモーションで重々しく彎曲し、やがて掌へと落ちて融け込んでいく。 「蜜でとろとろだね」 何度も同じ動作を繰り返して粘液の感触を楽しんでいる武藤に、腿を開いたままの綾香の薄く開いた唇から昂ぶった吐息が漏れていた。 「俺達だけ気持ちよくなって処女の室生さんが気おくれしない様に、気持ちよくしてあげないと可哀想だよね」 「う…ん……」 欲情に蕩けた瞳の綾香が緩慢な動作で前へと身体を傾け、愛しげに差し出したちいさな舌で武藤の手を舐めあげる。 「綺麗にしてくれるの?」 「だって…いっぱい濡れてるから……ティッシュ持ってないし……」 自らの潤滑液を舐めとろうとしているらしい舌が液体を掬うものの、それの濃さに舌から手の間に伸びる糸は途切れる事がなく、伸びた糸の何割かは唇の中にたどり着かずに手へと戻っていく。頬を上気させて飽きる様子もなく、何度も丁寧に手を舐める綾香の唇から昂ぶった吐息が漏れる。 やがて少女の柔らかそうな唇が少年の手に重ねられ、粘液を啜り上げる淫猥な音が何度も沸き立った。 |