赤いくつ |
Written by : 愛良 |
◆ [4] 目覚めと崩壊 ◆ |
おじさんとの生活はそんな風にスタートしたので、私は最初、夜になるのがとても怖かった。おじさんは一緒に暮らし始めてから、毎晩、私にそれを強要した。今までの様に、体に擦りつけて終わり、と言う訳にはいかなかった。 それでも、それ以外は優しくて、美味しいものをお腹いっぱい食べさせてくれたし、服もいっぱい色々買ってくれたし、お菓子も色んな種類を買ってくれたし、昼間は学校へ行かなくてもいいと言ってくれた。ただ、外へ遊びに出るのはおじさんと一緒じゃないとダメだと言われたので、おじさんがいない昼間はとても退屈だったし、おじさんはあんまり私を外に連れだしてはくれなかった。 おじさんは大抵帰ってくると、まず私をぎゅっと抱きしめたがった。抱きしめて、キスをしたがった。私はいつもキスをする時、おじさんの唇の輪郭を小さな舌でぺろんとなぞった。そう言う風に教え込まれたのだ。出迎える時は必ず裸でと言われたので、家にいる時は大抵裸だった。それが恥ずかしい事だと言う常識は教えて貰えなかったので、それが普通のことだと思っていた。 おじさんの唇をぺろんと舐めて差し出された舌を小さな唇で挟み、口の中に誘い込んでちゅるちゅると舌で舐め上げると、おじさんはおちんちんを堅くしてそのままそれを舐めて、と言うことが多かった。 おじさんのおちんちんを舐めると、そのまま私の体の中へそれをねじ込んで来ることも多かったので、私はそれをするのがあんまり好きじゃなかった。けれど、おじさんが気持ちよくなってくれると、美味しいものを沢山食べさせてくれるし、機嫌が良かったので、私は出来るだけ上手にそれを舐めるようにした。それに、おじさんがねじ込んでくれば来る程、痛むことがどんどん少なくなっていったし、逆に淡い気持ちよさが体の奥から沸いてくる事もあって、不思議なくらいだった。 徐々に私はおじさんとの行為に対して嫌悪感を抱くことが無くなっていった。学校の宿題の様に、それは毎日する事として受け止めていたし、宿題に較べれば自分も淡く気持ちよくなるその行為は私にとって宿題よりも「楽勝」な事だった。 いつ頃からだろうか。私ははっきりその行為が気持ちよいものだと思うようになっていた。おじさんも 「未来ちゃん、濡れたねぇ」 と私が気持ちよくなればなるほど、喜んでくれたし、機嫌が良くなってくれた。おじさんの膝に乗ったまま貫かれ、一生懸命上下させると、体に空いた穴が埋まっていく感じがして、とても満たされた。 「ぁ、ぁ、ぁん、ぁぁ……」 私はいつしかおじさんとの行為に喘ぐようになっていたし、こういう声を出せば出す程、おじさんは汗ばんで私を可愛がってくれた。 「そうだよぉ、もっと腰を振ってごらん。ぁぁ……ぃぃよ、未来ちゃん。おじさん、とっても気持ちいい……」 「ぁぁ……んぁ……おじ……さぁんっ」 「未来ちゃんの中から……はぁはぁ……お汁がとろぉり流れて……おじさんのおちんちんに……ぅっ……絡みついてるよぉ……」 「はっ……ん……お腹熱いのぉ……熱いよぉ……」 「ぁぁ……未来ちゃんはイイコだねぇ……気持ちよくなろうねぇ……」 いつの間にか私はおじさんとの夜の行為を心待ちにするようになっていた。 おじさんも悦んでくれて、自分も気持ちよくなれて、おじさんがいつも機嫌が良くなってくれて、美味しいものもいっぱい食べさせてくれて、これ以上いいことはない、と私は思うようになっていた。 その毎日はまるで天国の様だった。あの頃が一番、濃密で幸せな刻だったかも知れないと思う。 その濃密な刻は二年ほど続いた。 ……そして、それは徐々に崩壊して行ったのだ。私の成長と共に。 ある時、私はおじさんに言われて自分の体の変化に気が付いた。胸にしこりが出来ていたのだ。おじさんは最初、それを触って確かめて、 「おっぱいが膨らんでくるんだね」 と寂しそうに言った。おじさんのその様子に、私はおっぱいが膨らんだらおじさんが喜ばないであろう事を感じ取り、自分の胸を一生懸命押さえる様にしていた。それでも、徐々に日を追う事にそれは気付かない程度にゆっくり、でも確実に、膨らみ始め、ぺたんこだった胸が微妙に盛り上がり始めた。 次に、おじさんに言われたのが 「おまんこに、毛が生え始めたね」 だった。おじさんはその時も寂しそうに、そして憎々しげにそう言って、私の体を洗うのをやめた。私は慌てた。おじさんの大きな掌で体中を撫でながら洗って貰うのが大好きだったから、その毛が生えるとおじさんはもう洗ってくれなくなる、と瞬時に悟った。私は、おじさんが昼間家にいない間、生え始めたその毛を必至になって抜いた。おじさんは、私のあそこの周りがつるんとしている時には可愛がってくれると言う事を知っていたから、本当に一生懸命それを捜しては抜いていた。 最初は1〜2本だったそれは、えい、と抜くとまたつるつるになってくれたけれど、2〜3日すればまた生えてきて、私をガッカリさせた。どうしてこんな所に毛が生えるのか分からなくて、自分の体は変なんじゃないかしら、と思っていた。 その内、1〜2本では済まなくなってきて、私は抜く作業を毎日しなければならなくなった。抜けば抜く程、その周辺は段々ぶつぶつが出来るようになってきて、以前の様なつるんとした手触りではなくなっていった。 その頃くらいから、おじさんは私を抱くことに躊躇し始めた様に思う。毎日だった事が2〜3日に一度になり、3〜4日に一度になり、週に一度になり、二週間に一度になった。私は何度もおじさんに、しようよ、とおねだりをするようになった。 それをしない時、おじさんは無愛想で機嫌が悪く、ご飯を食べさせてくれなくなったりしたからだ。あの気持ちいいことをすれば、おじさんはきっとまた機嫌を直してくれる。私はどこかでそう信じ、ごめんなさい、と何度も謝りながらおじさんのおちんちんを一生懸命舌で舐めた。全て私が悪いのだと思っていた。何とかおじさんに喜んで貰おうと、私は小さな頭を必至に働かせたけれど、おじさんは徐々に私を抱いてくれなくなった。 ある日、決定的な事が起きた。 初潮を迎えてしまったのだ。おじさんは、それを見て 「未来ちゃんは大人になってしまったんだね」 と言った。まるで私が悪いみたいにそう言った。 「おじさんはもう未来ちゃんを愛せないよ」 と。 私は愕然とした。自分のそこから太股に流れ出る血の気持ち悪さはおじさんが私の中に放出した後のようなのに、嫌悪感はそれ以上だった。何でそんな所から血が出るのか不思議で、何の知識もない私には恐怖でもあった。怪我をしたのかも知れない、とおじさんに訴えても、 「大人になった証拠だから」 としかおじさんは言ってくれなかった。 そして、必ず私が血を流す時、おじさんの機嫌は最悪に悪かった。 「血を流しながら歩くな」 と言われ、パンツを履く様に言われた。そのパンツもすぐに血で汚れ、気持ちが悪くなる。ナプキンと言う存在すら知らず、おじさんもそれを買い与えてはくれなかったので、私は徐々にその期間中はお風呂で日がな一日過ごすようになった。お風呂にいたら汚れてもすぐに流せたからだった。 胸は既に乳房と呼べる程度のものが膨らみ始めていた。おじさんは、私に裸でいるのはやめろ、と言った。けれど、新しい服を買い与えてもくれなかった。胸の膨らみと共に、毛が生えるのと共に、生理を迎える度に、私の手足はすらりと伸びて、前の服は窮屈になって行ったけれど、おじさんは 「お前には金が掛かるんだから、我慢しろ」 と言って、新しい服を前のように沢山買ってくれることは無くなった。どうして私がそんな風に言わるのか。全ては私が大きくなっているのがいけないんだ、と私は自分を責めた。おじさんに冷たくされるのが辛かった。前のように優しくして欲しいのに、と思うと、自然と涙がこぼれた。 「昔は良かったよ」 とおじさんは時々遅く酔って帰ってきては私を殴るようになった。 「お前は可愛くなくなった」 と何度も殴られ、蹴られ、抜き残してしまった陰毛を乱暴に引き抜いた。為す術も無く、私は泣きながら 「ごめんなさい、ごめんなさい」 と泣いて謝っていた。どうしたらおじさんに優しくして貰えるのか知っていたけれど、それはもうどうすることも出来ないのだ、と言う諦めと共に、何故自分の胸が膨らみ、毛が生え、生理が来るのかと、自分の体を恨めしく思った。 私とおじさんの幸せな日々は、崩壊の一途を辿るばかりだった。あの綺麗だった赤いエナメルの靴は薄汚れて、もうとっくに履けなくなっていた。 |
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